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スバールバル諸島の中心地とロシア人居住地を取材。スバールバルの中心地ロングイェールビーンには2500人程が住んでいる。当初は炭鉱の町として栄え、今は新たな注目を集めている。この島でノルウェー人とロシア人は数十年にわたって隣人として暮らしてきた。しかし、市長はロシアによるウクライナ侵攻で町が、バラバラになってしまったという。ロシア人居住地のピラミデンはまるでゴーストタウンのよう。ロシア国営の炭鉱会社トラストアルクティクゴルは100年近くこの土地を所有している。第一次世界大戦後スバールバル条約によってノルウェーに主権が与えられたが、ロシアを含む他の国々にもビザなしでビジネスや居住の権利が認められた。この条約は、スバールバルを戦争などの目的で使用することを禁じている。北極圏はロシアの重要な防衛拠点。多くの核兵器や海軍の艦隊がコラ半島に配置され、スバールバルは紛争が起きた時、艦隊のアクセスの拠点になる可能性がある。今年、NATOは冷戦終結後、最大規模の軍事演習を行った。NATO加盟国に囲まれたロシアは今、孤立状態にある。去年のロシアの戦勝記念日にはヘリコプターが飛び交い、ロシア国旗を掲げた車が行進。まるで軍隊式のパレードだと評された。NATO加盟国の領土で行われた挑発的行動だと批判する人もいた。現時点ではノルウェーもロシアも戦略的に重要なこの場所で互いに目を光らせるため現在の関係性を維持したいと考えている。スバールバルは両国が接点を持てる数少ない場所の一つ。ただ、疑念も残る。ロングイェールビーン・テルイェアウニュビク市長は「今のロシアの体制は信頼できなくなっている。信頼を取り戻すには時間がかかるだろう」等と話している。