視点・論点 (視点・論点)
参議院選挙の投票日が7月20日に決定。東京大学の牧原出さんが選挙とメディアの関連について解説。昨年は都知事選や兵庫県知事選の選挙戦でSNSが大きな影響をふるった。XやInstagram、TikTokなどは今や若い世代に欠かせないツールとなっており、NHKが5月に行った世論調査では18歳から39歳までの半数以上が「選挙でSNSを参考にする」と回答している。SNSを通じて選挙に興味を持つ人が増えた結果、投票率は上昇。政治的無関心を関心へと変えていく効果を発揮した点においてはSNSの役割を高く評価すべきといえる。一方で問題点も多発。兵庫県知事選挙のように全国的な注目を集めた場合の地方選挙では大勢の人が特定の候補に信頼を寄せたり反対候補への誹謗中傷をSNSに流すなどの行動が。さらにSNSの動画配信で誤った情報を流布されると文章と違いその矛盾点にユーザーが気づきにくいという欠点も。選挙期間が短い場合SNSが選挙に与える影響は情報の正誤にかかわらず非常に大きく、また動画配信が選挙をゆがめる傾向はますます強まっている。しかし、SNSは新聞やテレビなどの既存メディアの選挙報道を変える効果を持ちつつあることも事実で有権者にとっては望ましいといえる状況にもなっている。要はSNSの情報のみを鵜呑みにし選挙で投票することが危険であるということで選挙でSNSを参考にする場合は以下の3点に注意が必要。「動画配信をよく吟味する」「SNSだけでなく様々なメディアから情報を収集する」「候補者はタレントや推しの対象ではないと認識する」。現在の深刻な日本の問題を切り開くことのできる候補者は誰かよく吟味し選挙へ参加することが大切だと牧原さんは語った。