報道ステーション (ニュース)
大相撲五月場所で二場所連続優勝を果たした大関・大の里が、二所ノ関部屋で会見を行った。「15日間楽しんで相撲を取ることができた」と、綱取りの重圧はなかったと語った。また「前半5日間が大事だと思った」、「止まらない相撲、圧倒する相撲が多く見られた。手の使い方が良かったから完璧だった」と自らの相撲を振り返った。大の里を高校時代に指導した三輪隼斗さんは、アマチュア相撲で数々のタイトルを獲得し「世界の三輪」として知られた存在。大の里は三輪さんを「憧れの人」だと公言している。三輪さんは「僕の後をたどって、新潟で中学、高校、大学も一緒。憧れの存在になれたことはうれしい」なとどコメントした。小学生時代の大の里は、負け知らずというわけではなかった。三輪さんのように強くなりたくて、12歳の時に親元を離れることを決めた。早くに出身の石川を離れたからこそ、故郷への思いは強いのかもしれない。大の里は三月場所の後、能登にお忍びで慰問に出かけていたことを明かした。去年一月場所の直前に能登半島地震が発生し、場所が終わると石川出身力士とともに避難所に駆けつけ、被災した人々を勇気づけた。あれから1年半、穴水小学校の校庭では相撲の稽古に取り組む少年たちの姿があった。ただ、かつて練習していた町の相撲場は地震で壊れたまま。震災直後に大の里と交流した穴水少年相撲教室の片矢孝太朗さん(小6)は、「その時は地震のことを忘れられた。相撲をもっと頑張るきっかけになった」などと話した。今日招集された横綱審議委員会は、わずか6分で結論が出た。横綱審議委員会の大島理森委員長は、「プレッシャーの中で堂々とやり抜いた姿を見て、皆様一致して文句なしと」などと述べた。8年ぶりの日本出身横綱誕生は、あさって開催される臨時理事会の場で正式に決まる。