失われた体の機能再生 iPS細胞の治療 実用化

2026年5月30日放送 7:15 - 7:22 NHK総合
NHKニュース おはよう日本 (特集)

iPS細胞の発表から20年。先週、iPS細胞を使った治療に世界で初めて公的な医療保険が適用された。科学文化部の牧記者が解説する。世界で初めて日本で承認されたのは2つの治療で、1つはパーキンソン病が対象。iPS細胞から作った細胞を脳に移植し、不足するドーパミンを補う。7人の患者を対象に行われた治験では、一部で運動機能の改善が見られたということ。「アムシェプリ」という製品としてこの治療に使う細胞が保険適用された。もう1つが虚血性心筋症の治療に使われる心筋細胞シート「リハート」。保険適用は今後検討される見通し。iPS細胞から作った心臓の筋肉の細胞をシート状に加工し、心臓に貼り付けて加工する。シートから出る物質が新たな血管を作り出し、心臓の筋肉の動きを回復させるとされている。治験は8人に行われ、半数は心機能も改善した。
去年7月時点で国内では目の病気や糖尿病など18の病気で臨床研究が進んでいた。一方で課題となるのはさらなる効果の検証。生きた細胞を使うこともあり、どんな患者にどれほど効果があるのか、治験だけではわからないといった意見もある。このため、承認された2つの症例には7年以内に全ての患者を調査し、安全性と有効性を改めて検証することなど条件がつけられた。さらに費用が高いことも課題。パーキンソン病の治療にかかる価格は約5530万円。患者の自己負担は国の制度を使うと抑えることが出来る。日本初の技術を産業として育てることも重要。国際的な競争力を維持できるかも問われる段階に入ったとも言える。


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