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ベルギーのチョコレート業界を取りまとめる協会によると、カカオ豆の高騰を受け多くの会社が値上げや内容量を変えるなどの変更を余儀なくされている。また業界全体の収益も去年までの5年間で年間平均2.9%下落しているという試算もある。一方で国際カカオ機関によると、去年から今年にかけて収穫されるカカオ豆の世界の生産量は雨が降り作物の生育に好都合な条件が整っていることで前年比7.8%増加する見通しだという。ただカカオ豆の生産量が増加しても価格に反映されるまでには時間がかかるとみられる。また農家の賃金を上げなくてはならないという点もあり、チョコレート会社からは急激な価格の下落は期待できないという声も聞かれた。私達消費者にとってチョコレートの価格がすぐに安くなることはなさそうだ。トランプ大統領はEUとの交渉への不満から6月1日から50%の関税を課すなどと表明したが、現在7月9日まで発動を延期し、交渉が続いている。一方、相互関税が90日間停止されている国にはコートジボワールなどカカオ豆を生産する国々も含まれている。仮にこれらの国々に今後相互関税を発動した場合には例えばコートジボワールはカカオ豆の輸出先をアメリカからヨーロッパに切り替える可能性もあると示唆している。そうすればヨーロッパへのカカオ豆の供給が増え価格面で改善が見られるかも知れない。ベルギーのチョコレート産業にとってアメリカも大事な市場の1つであることには変わりなく、関税交渉の行方を注視しているが、今回取材を通して多くのチョコレートメーカーは様々な企業努力を重ねながら妥協せず高品質なチョコレートを作り続けたいとしていた。世界中の消費者に引き続きチョコレートを楽しんでもらいたいという強い思いを感じた、などと伝えた。