列島ニュース NHK NEWS WEB
「NHK NEWS WEB」からおすすめの特集記事を紹介。近鉄などで右投げのピッチャーとして活躍した佐野慈紀さんが去年12月、少年野球大会の始球式で左投げのピッチングを披露した。佐野さんは現役引退後に糖尿病を患い、一昨年4月に合併症の影響で右足の中指を切断する手術を受けた。その後1年余の間に右手の人さし指と中指、さらに右腕も切断する手術を受けた。帽子を落として薄い頭髪を見せ相手のバッターを笑わせる「ピッカリ投法」は偶然誕生したもの。1995年の試合で150kmを出そうと思い切って振りかぶった時、手が当たった帽子が浮いて薄い頭髪がバッターと審判から見え、気づいたら2人が必死に笑いをこらえていた。この出来事をきっかけに注目を集め、佐野さんのピッカリ投法はオフシーズンや引退後も多くの野球ファンに笑顔を届けた。佐野さんはプロの世界で培った気持ちの切り替えの早さと同じような病気や障害のある仲間たちからの励まし、そして野球人としての意地から手術2日後には左投げでのピッカリ投法を宣言していた。