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地震や水害で被害を受けた写真について。泥で滲んだ部分を削り取り、表面についてカビや誇りを1枚1枚丁寧に拭き取っていく。神戸市の被災支援ボランティア団体「おたがいさまプロジェクト」は、阪神・淡路大震災のあと全国各地から受けた様々な支援に恩返しがしたいと、7年前から全国の被災地で子供達の支援や継承活動、被災した写真の洗浄を行っている。修復を求めて送られてくる写真は後を絶たず、これまでに約2万枚の写真を洗浄して持ち主に返してきた。芦屋市に住む高校3年生の春野さんは、去年10月から写真洗浄の活動に加わった。活動に興味を持つようになったのは、家族がよく話していた阪神・淡路大震災の経験から。自宅が全壊し大切にしていた家族の写真が埋もれてしまったという話を聞きショックを受けたという。その後も、各地で起きる災害を見聞きするなかで自分にも何かできることはないかと考えていたという。遠くにいても被災した人の役に立つことができる写真洗浄の活動に加わることにした。活動を初めて約1年が経った先月、新たに写真の洗浄を任された。去年の能登半島地震とその後の豪雨災害で大きな被害を受けた石川県輪島市。そこで被災した夫婦から送られてきた写真だった。地震で全壊した家の下敷きになり、さらに豪雨で流れ込んだ泥に浸かってしまった。写真に込められた思いを知り、大切な思い出に寄り添って作業したいと、依頼主から話を聞いた。先月15日、洗浄した約200枚の写真を持って依頼主の元を訪れた。この団体では、修復した写真をできるだけ直接届けるようにしている。春野さんは「人を何か支援したり困っている人を助けたり大切にできるようにしていきたい」などと話した。