報道特集 (特集)
バングラデシュでは今月8日、暫定政権が発足。そのトップに就任したのが、経済学者・ムハマドユヌス氏。グラミン銀行を立ち上げ、銀行の融資がおりなかった貧しい人々に無担保で少額の資金を貸し出す仕組みを作りノーベル平和賞を受賞。一方、影響力を恐れたハシナ政権からはさまざまな疑いをかけられ、禁錮刑を言い渡されるなど権力側の嫌がらせを受けてきた。ユヌス氏へのインタビューを申し込んだところ、政権発足3日目に面会できることになった。バングラデシュ・ダッカ市内・迎賓館は、暫定政府事務所として使用。オフレコでの懇談だとして撮影は許されなかった。ニューヨークタイムズ、英国BBCなど外国メディア6社のみが選ばれた席で、ユヌス氏に聞いた。ユヌス氏は「革命と呼ぶことができるか?)学生が導いた革命」と語った。首席顧問を引き受けた経緯についても明かした。滞在先のフランス・パリに、デモを主導した学生から顧問就任を求める電話がかかってきたという。暫定政権では、今回のデモを主導した2人の大学生をスポーツと情報通信の担当省のトップに据えた。ユヌス氏は「どの省庁にも学生を配置すべき。彼らに言論の自由をあたえよう。それが望まれていたわけだから」と述べた。懇談は約45分間。現時点では話せないとした内容も多く、課題が山積している様子がうかがえた。