真相報道バンキシャ! (真相報道バンキシャ!)
古い町並みが残る愛媛県大洲市。大洲城の天守閣に宿泊できる城泊を、4年前、日本で初めて導入。客は、甲冑姿でお殿様気分。1泊2食付きで1人66万円。これまでに44組197人が宿泊した。仕掛け人の一人、井上陽祐さんが城泊の次に目をつけたのが、古民家の再活用。空き家を借りたい人と家主をマッチングするのが井上さんの仕事。大事にしているのは、古きよきものを残して活用すること。7年前、30歳で東京の商社を退職し、ふるさと、大洲市に戻り目の当たりにしたのは、変わり果てた町の姿だった。およそ40年前は、人口が5万7000人ほどとにぎわっていたが、今は1万8000人ほど減少してしまった。それに伴い、多くの古民家が空き家のまま放置され、町は衰退の一途をたどっていた。まずは町に点在する古民家を一軒一軒、ホテルに改修。価格は1泊2食付きで、1人4万2680円から。ただ、さまざまな事情で、家主が空き家を貸したがらないケースもあったというが所有者さんに寄り添っていった。こうした取り組みを地道に続け、井上さんは、およそ170の古民家のうち、31棟をホテルや飲食店、土産物店に生まれ変わらせた。これまで古民家ホテルには、延べ2万人が宿泊している。大洲市の取り組みは、世界で高い評価を受けた。国際認証機関が選ぶ、持続可能な観光地の中で、「文化伝統保全」部門世界1位となった。