日本被団協 “ノーモア ヒバクシャ” 願いを世界に発信

2024年10月11日放送 21:21 - 21:26 NHK総合
ニュースウオッチ9 (ニュース)

日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)は、核兵器廃絶を願う被爆者の声を、唯一の戦争被爆国日本から、68年にわたって世界に発信してきた。日本被団協が結成されたのは、広島と長崎に原爆が投下されてから11年後の1956年。その2年前には、太平洋のビキニ環礁で行われた米国の水爆実験で、日本の漁船・第五福竜丸の乗組員が被爆し、国内で原水爆禁止運動が高まりを見せていた。結成の宣言で「人類は私たちの犠牲と苦難をまた再び繰り返してはならない」と核兵器廃絶を訴えた。しかし東西冷戦で、米国と旧ソビエトを中心とした核開発競争は激しさを増していく。そうした中、国連の軍縮特別総会で演壇に立ったのが、14歳のときに長崎で被爆し、日本被団協代表委員を務めた山口仙二さんだった。その後も日本被団協は、国連や世界各地で原爆の写真展を開くなど、地道な活動を続け、「ヒバクシャ」は世界に通じることばになった。冷戦が終結したあとも、各国は核兵器の保有を続け、核実験が行われるたびに日本被団協は抗議してきた。
日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)は、歴史的な訪問にも立ち会った。2016年、米国・オバマ元大統領が、現職の大統領として初めて、被爆地、広島を訪れ、坪井直代表委員が直接ことばを交わした。核兵器廃絶に向けた国際的な取り組みにも関わり、2017年に採択された核兵器禁止条約の交渉会議では、約300万人分の署名を集めて目録を提出し、条約の採択を後押しした。条約の前文には「被爆者が受けた容認し難い苦しみに留意する。被爆者が行っている努力を認識する」として、被爆者に寄り添うことばが盛り込まれた。その後も、すべての国が核兵器禁止条約に参加することを求める「ヒバクシャ国際署名」を続け、最終的に1370万人分余の署名を国連に提出した。
ただ世界では、核による脅威が依然として続いている。ウクライナ侵攻を続けるロシアは、去年、米国との核軍縮条約、新STARTの履行を一時的に停止すると一方的に表明し、ウクライナ情勢を巡って、核の威嚇を繰り返している。核ミサイル開発を加速させる北朝鮮・キムジョンウン総書記は、今月行った演説の中で「わが国に武力行使を企てるなら、核兵器の使用も排除しない」と述べている。オスロ国際平和研究所・ヘンリクウダル所長のコメント「日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)へのノーベル平和賞は、核使用の脅威が驚くほど高まっている重要な時期に授与される。私たちが無視できないメッセージだ」。


キーワード
国際連合日本原水爆被害者団体協議会バラク・オバマキム・ジョンウン東西冷戦核兵器禁止条約ストックホルム国際平和研究所長崎県広島県山口仙二オスロ国際平和研究所ノーベル平和賞坪井直新戦略兵器削減条約ヒバクシャ国際署名第五福竜丸ヘンリック・ウルダル

TVでた蔵 関連記事…

ノーベル平和賞に日本被団協 (NHKニュース おはよう日本 2024/10/12 7:00

ノーベル平和賞に日本被団協 (ニュース・気象情報 2024/10/12 5:00

日本被団協 ノーベル平和賞 受賞 (国際報道 2024/10/12 4:15

ノーベル平和賞 日本被団協 受賞の意義は (国際報道 2024/10/12 4:15

ロシアの受け止めは (国際報道 2024/10/12 4:15

© 2009-2024 WireAction, Inc. All Rights Reserved.