クローズアップ現代 昭和歌謡がつなぐ日韓 “文化交流”新時代へ
1980年代からNHK紅白歌合戦にも3回出場したキム・ヨンジャさん。日本と韓国で活動を続けてきた。現在は韓国で暮らしている。歌の魅力に目覚めたのは10代のときで、規制下で聴いた美空ひばりさんの声に憧れたという。1974年、15歳のときに韓国の演歌とされるトロット歌手として韓国デビュー。トロットは大衆から親しまれた一方、当時の韓国では日本の色が濃い・倭色として規制の対象にされていた。発売禁止になった倭色歌謡は250曲もある。キム・ヨンジャさんは好きな演歌を極めたいと本場・日本へわたる。2つの国のはざまで歌手として進む道を模索していた。あきらめきれずにいたのは、ふるさとで好きな歌を歌うという願いだった。50歳になった2009年に韓国に戻ることを決意したが、テレビでは日本語のヒット曲を歌うことができず、ゼロからの再スタートとなった。トロットに再挑戦し、幅広い世代から支持された。そして去年、歌手人生ではじめて韓国のテレビで日本語の歌を披露した。今、日韓の言葉で歌える喜びをかみ締めている。