報道ステーション (ニュース)
今日、国と都が持つ東京メトロ株の半分が放出され東京株式市場に上場。2018年のソフトバンク以来の大型上場に市場も熱視線を送る。取引開始からおよそ1時間。売り出し価格よりも35%値上がりした1630円で初値を付けた。人気の理由は他の鉄道会社よりも配当利回りが高いこと。地下鉄博物館の無料招待券や、グループのそば店でのかき揚げのトッピング無料券など東京メトロならではの株主優待に個人株主が注目している。上場の議論の始まりは東京メトロの前身、帝都高速度交通営団。営団地下鉄時代にさかのぼる。1986年、政府が行政改革の一環として完全民営化を目指す方針が初めて示された。半蔵門線の延伸が一段落ついた2004年、営団地下鉄は東京メトロに。当時、東京都は赤字が続いていた都営地下鉄と東京メトロの一体化を目指していて、東京メトロの上場の議論はなかなか進まなかった。今回の上場につながったのは2021年の国の審議会での議論だった。地下鉄有楽町線などの延伸とセットで国と都が株式を売却する方針を示し、それぞれが上場に向けて準備を進めた。終値は1739円。時価総額は1兆円を超えた東京メトロ。東京メトロは有楽町線の豊洲〜住吉間と南北線の白金高輪〜品川間の延伸を進めている。インバウンド客が増える中でアクセスの向上や混雑緩和につなげたい狙い。2030年半ばの開業を目指し国や都は、引き続き半分の株を持ち続けて延伸整備を後押しする。鉄道以外の事業も進めたい考え。東京メトロ・山村明義社長は「不動産や流通などを上場を契機として強化していく」などコメント。