木村多江の、いまさらですが… 小泉八雲~怪談 日本の面影を訪ねて~
小泉八雲が英語教師として赴任した島根県松江市では数多くの伝説・怪談が語り継がれている。松江観光協会が行っている松江ゴーストツアーの語り部・佐藤夕子さんに案内してもらい、徳永えりが怪談ゆかりの地を巡った。最初に訪れたのは国宝・松江城。築城当時に何度積み上げても崩れてしまう石垣があったという。盆踊りの際に一番美しく踊りも上手だった娘が攫われて人柱にされてしまった。それ以来、盆踊りを行うと天守が揺れて城下に災いが起きると言い伝えられるようになり、現在も松江城の近くでは盆踊りが行われていない。続いて訪れたのは大雄寺。近くに水飴を売っている飴屋があった。昔は乳が出ない母親は子どもに水飴を与えていて、夜ふけになると飴を買いに来る女がいた。ある夜、手招きする女の後を飴屋がついて行くと、女が墓の前で姿を消した。墓の下から赤ちゃんの声が聞こえたので、墓を開くと、女の亡骸の横に元気な赤ちゃんがいて、水飴が置いてあったという。八雲は「母の愛は死よりも強し」と記している。
