国際報道 (ニュース)
日本の鳥取大学と30年にわたって交流を続けているスーダンの研究者。スーダンは年間を通して高温で乾燥が続くことから、小麦の栽培環境としては、世界で最も過酷だといわれている。スーダンの研究機関では、鳥取大学とこの環境に耐えられる小麦の開発を進め、スーダンだけでなく世界の食糧不足の問題を解決するための研究に取り組んできた。しかし、スーダンでは2年前に軍内部の主導権争いをきっかけとした大規模な武力衝突が起き、1200万人以上が難民や避難民になる事態に。ウクライナや中東に世界の関心が集まる中、“忘れられた紛争”ともいわれている。そうした中、6年前からJICAなどの支援で行われてきた鳥取大学とのプロジェクトは、今月で終了することが決まっている。岐路に立たされているスーダンの研究者たちを取材した。タヒルさんは20年以上にわたり乾燥に強い小麦の開発や人材の育成に取り組んできた。今では鳥取大学と共同で開発した品種がスーダンで作られる小麦の3分の1以上になっている。タヒルさんの大学との契約は今月末まで。鳥取大学の博士課程のアミール・エマムさん。2年前に来日した。今年9月に卒業を控えている。日本での就職を希望している。