みみより!解説 (みみより!解説)
今日のテーマは「気づきにくい子どもの心の不調 SOSの声どう受け止める」。夏休み明けは子どもが悩みを深める時期だといわれている。中央大学人文科学研究所の高橋聡美研究員によると、いじめや受験・成績など夏休みの思い出と対比され心配や不安が増幅されるという。こども家庭庁は調査報告書を基に自殺した小中高校生の置かれていた状況などを調べている。子どもの様子の変化に周囲が気づいていたかについて調べたところ「気づいていなかった」が全体の2割を超えたという。高橋研究員は、子どもの自殺は問題が起きてから自殺までの期間が短いことが多く、衝動的な行為を防ぐためにもSOSを発せられる環境整備が必要と指摘している。山形県立保健医療大学の安保寛明教授は山形県内の小中学校でSOSの出し方をテーマに課外授業を行っている。自分の話を理解してもらえないと感じても諦めず、助けを求め「3人3か所の人たちとつながって気持ちを前向きにしてやっていく」のが大事だと語る。SOSを受け止める方は、相手の気持ちを否定しない、悩みを話してくれたことをねぎらう、受け止め側も1人で頑張らず抱え込まないのが大事だという。山形県はSOSの出し方教育に力を入れており、今後は保健師などとも連携するという。また高橋研究員は、子どもは弱さを見せることに抵抗感があり「『弱音を吐くと打たれ弱いと評価される』『相談がないとわからない』この矛盾がSOSを出すことを阻んでいることに大人は気づくべき」「SOSは受け止めてくれる相手がいてこそ出せる。安全安心な存在だと認めてもらうことが大切」としている。厚生労働省のウェブサイト「まもろうよこころ」には相談窓口が紹介されている。