ニュースウオッチ9 (ニュース)
福島第一原発にたまる処理水の海洋放出を受け、中国が続けてきた日本産水産物の輸入停止措置。きょう岸田総理大臣は、IAEA(国際原子力機関)の枠組みのもとで行っている処理水のモニタリングを拡充し、中国を含んだ専門家による水のサンプリング採取などを追加的に実施していくことで一致したと説明。この追加的なモニタリングの実施を踏まえ、中国が自国の安全基準に合致した日本産水産物の輸入を再開させることで、日中両国が合意したことを明らかにした。気になる輸入の再開時期について、岸田首相は「日本産水産物の輸入が着実に回復されるものであると理解」と述べた。中国外務省・毛寧報道官は記者会見で「輸入再開には日本側が中国の要求を十分に満たす必要がある」と強調。宮城・石巻市、東電福島第一原発の映像。宮城県漁業協同組合・組合長のコメント。輸入再開の時期が決まっていない中、日本の漁業関係者から聞かれたのが、中国以外の販路の多角化。北海道函館市にある水産加工会社では、売り上げ全体の4分の1を占めていた中国向けのホタテ。輸入停止措置以降、新たな輸出先の開拓に力を入れてきた。輸入再開に期待する一方で、水産加工会社「きゅういち」・餌取達彦取締役は「多角化にかじを切っているので、中国のスタンスが元に戻っても、自分たちの判断で経営は進めていく形になる」と語った。今後の焦点は、いつ追加的なモニタリングが実施され、日本産水産物の輸入がいつ再開されるか。経営を安定させるため、販路の多角化を進める企業の取り組みにも注目したい。