時論公論 (時論公論)
政府は第7次エネルギー基本計画で再生可能エネルギーの割合を2040年度には全体の4~5割程度に引き上げる考えを示した。洋上風力発電は再生可能エネルギー拡大へ向けた切り札的存在と言われてきた。しかしことし8月三菱商事が事業の採算がとれないとして撤退を表明。政府は洋上風力発電の事業者選定で入札方式を導入したが想定外の低い価格を提示した事業者が事業経済困難となった。事業環境変化による撤退リスクに対する備えが不十分だったことが制度的な不備だったと指摘されている。
政府は洋上発電に適した10海域を促進区域に指定し3段階に分けて電力会社などの事業者を選定したがインフレでコストが上昇し採算がとりにくい状況は共通する問題と言われている。政府は促進区域を利用できる期間の延長を認め巨額コストを長期間で回収しやすくすることなどを検討している。発電コストが膨らむ再生可能エネルギーを普及させるには割高となるコストを負担することが必要となる。
