能登半島地震1年 被災地からの声 復興の行方 (能登半島地震1年 被災地からの声 復興の行方)
液状化で家が全壊した氷見市新道地区の明さんは、液状化対策の見通しが立たないため再建を諦めていた。明さんは地震直後から行政による地盤対策などを急ぐよう町内会のメンバーとともに求めてきた。地震直後から住民説明会を開いてきた氷見市は、国の事業を活用し液状化の再発防止に向けた地区単位での地盤対策を検討している。去年4月には地下水の水位を低下させる工法などが可能か調査を開始。具体的な工法の案を住民に提示する予定だったが、その後の説明会では調査に時間がかかっているとして具体的な案は示されなかった。明さんは対策が完了する目処が立たないため別の地区で家を建てる準備を進めていた。自転車店を営む宏行さんは店と自宅を再建して地元に残りたいと考えていた。地震直後から被害の少なかった車庫に仮設店舗を設けて営業を再開したが、客も地元を離れる中で販売台数は前年の半分に落ち込んでいた。長年新道地区で暮らしてきた明さんの義理の母、アイ子さんは引っ越し先に友人もおらず生活にストレスを感じていた。去年11月に地域のつながりを維持しようと食事会が開催され、アイ子さんは友人たちと再会した。