大下容子ワイド!スクランブル NEWSドリル
この日、原田小鈴さんが広島で会っていたのはアメリカ・メリーランド州出身の映像作家アリ・ビーザーさん。彼の祖父は2つの原爆に密接に関係した人物。80年前の8月6日、広島に原爆を投下したB29「エノラ・ゲイ」、その3日後、長崎に原爆を投下したB29「ボックスカー」。アリさんの祖父のジェイコブ・ビーザーさんは双方にB29に搭乗した唯一のアメリカ兵だった。レーダー技師として原爆を上空で確実に爆発させる任務だったという。1992年に71歳で亡くなったジェイコブさんは生前「原爆投下は非人道的な行為だった」と話していたという。アリ・ビーザーさんは「祖父は核兵器は廃絶されるべきだと考えていた。兵器は使うために作られるが2度もその恐ろしさを見て再び使用されれば世界は終わってしまうと感じていた」などコメント。きのこ雲の下で何が起きていたのかアリさんは被爆の実相を母国に伝えようと2011から被爆者・家族を取材し映像を発信し続けてきた。そして、2013年被爆者らへの取材を続ける中、原田さんと出会った。アリさんが原田さんに会いに来るたび少しずつ対話を通じてお互いが分かりあえるようになり、交流は12年にも及んでいる。広島と長崎に原爆を投下した、双方の爆撃機に乗っていたアメリカ兵。その原爆で2度被爆した日本人、80年が経ったいま、それぞれの孫2人は共通の“核廃絶”という思いで繋がっている。アリさんは新たなドキュメンタリー作品の制作を進めていて、原田さんも協力している。そして、原爆投下から80年。「キノコ雲」の上と下の物語という本を出版した。そのトークイベントに参加した人からは「本当に重たいものを人生をかけて背負ってきたお2人が、出会ってそして共に本を作られるという。お2人をみて嬉しい気持ちになった」という声が聞かれた。ジェイコブさんが2人の活動を知ったらなんと言うかと質問されたアリさんは「祖父はきっと自分の孫がキノコ雲の下にいた人々の孫と手を取り合いともに未来に向かって道を切り開こうとしている姿を誇りに思うことだろう」などコメント。原田さんは「祖父(山口彊さん)は驚くとともに応援をしてくれると思う」などコメント。そして、日本で平和活動を行っているアリさんは来日する前と比べて変化があったという。