めざまし8 (ニュース)
日本製鉄によるUSスチールの買収計画がバイデン大統領による中止命令で阻止された問題。日本の企業が米国の大統領を訴えるという異例の事態。問題の背景には市場を席捲する中国企業の存在があった。きのう米国・バイデン大統領らを訴えたことについて会見を開いた日本製鉄・橋本英二会長。一昨年の12月、経営難に陥っていたUSスチールを買収することで合意したと発表した日本製鉄。鉄鋼メーカー粗鋼生産量ランキングのベスト10に中国企業が6社もランクイン。木内登英氏は「過剰になった鉄鋼を中国は安く海外に売る。結果として世界の鉄鋼の価格が大幅に下がって、世界中の鉄鋼業界が非常に強い逆風に見舞われている」とコメント。世界4位の日本製鉄がUSスチールを買収すれば、世界3位に躍進。国家安全保障上の懸念を理由に買収の中止命令を出したバイデン大統領。来月2日までに買収計画を「安全かつ永久に放棄すること」を命じた。この決定にUSスチールのデビッドブリットCEOは反発。買収に反対している米国の鉄鋼大手、クリーブランドクリフス社およびゴンカルベスCEOによる違法な働きかけがあったと主張。過去にUSスチール買収に失敗しているクリフス。同じく買収に反対している全米鉄鋼労働組合のマッコール会長と結託。日本製鉄はクリフス社のCEOと労働組合の2人も訴えている。仮に日本製鉄が買収に失敗した場合、違約金として日本円で約890億円を支払う義務が生じる可能性がある。ブリンケン国務長官と会談を行った岩屋毅外務大臣は日米の間での投資に心配の声が上がっているとして懸念の払拭に向けた対応を求めた。トランプ次期大統領も改めて買収に否定的な考えを示した。