Mr.サンデー (ニュース)
輪島市の二十歳の集い。今年は開催に至ったが地震直後の1年前は中止を余儀なくされていた。そこで昨日開かれたのは1年遅れの二十歳の集い。前年度に二十歳となった125人が改めて人生の門出を祝った。出席した21歳の井上岳登さんは素潜りで海産物を取る海女の家系。家業を継ぎ被災後も輪島に残って地元と共に生きている。さらに、特別な思いで式に臨んだ女性も。金沢市に住む沖崎愛実さんは、1年遅れの二十歳の集いに出席するため式典前日、仕事が終わると約100km離れた故郷・輪島の実家へ向かっていた。このとき雪のピークは越えていたものの、今季最強寒波の影響で路面には雪が、時折、強く降る時間もあった。慣れない雪道に戸惑いながら故郷を目指す愛実さん。1年遅れの二十歳の集いに何としても参加したい理由があった。能登半島地震で実家は準半壊。漁師の親は一時、仕事ができなくなっていた。愛実さんは親の負担を減らしたいと実家を離れ、金沢で働く苦渋の決断をした。心残りがあるまま家族と離れて暮らすようになったからこそ愛実さんは「立派な晴れ着姿を見せて家族との思い出を一つでも増やしたい」という。そして迎えた、式当日の朝。念願の晴れ着姿で去年、かなわなかった二十歳の集い。その会場には愛実さんの晴れ姿を見たいと駆けつけた、祖母の姿が。さらに帰宅後、父親に披露。言葉少なでも家族と温かい時間を過ごせた愛実さんが誓ったのは「親が安心して見守ってくれるようないい社会人になりたい」と話した。