Mr.サンデー (ニュース)
今月24日午後5時前、都内のホテルでカメラが捉えたのは、小泉純一郎元総理。この日、石破総理サイドの呼びかけで行われた会食には、小泉元総理、山崎元自民党副総裁、武部元幹事長、赤沢経済再生担当大臣の5人が同席した。歴代の総理と比べ、極端に会食が少ないという石破総理。政治ジャーナリストの田崎史郎氏は、異例の会食の狙いについて「(小泉元総理らと)会っていることを見せることに意義がある」と話す。自民党内で石破おろしは本格化している。石破政権の副大臣らからも、辞任覚悟の総裁選の前倒し要求が噴出。田崎氏によると、小泉元総理らとの会食にはこうした動きをけん制する狙いがあるという。異例の会食で一体何が語られたのか。Mr.サンデーの取材に応じたのは元自民党副総裁の山崎拓氏。異例の会食をとりもったキーパーソンがその内幕を語ってくれた。会食の10日前、福岡で暮らす山崎氏に赤沢亮正経済再生担当大臣から連絡があったという。石破総理の腹心として日米関税交渉で多忙を極める赤沢大臣の突然の来訪。そして頼まれたというのが小泉元総理を交えた会食のセッティングだったという。その10日後、約束の10分前に日本料理店に到着したという山崎氏。するとそこには、石破総理が一番に店に到着し末席に座っていた。最後に到着した小泉元総理が上座の真ん中に座り、その両脇に山崎氏と武部氏、下座側に石破総理と赤沢大寺院が着席。会食は日本酒を酌み交わしながら和やかな雰囲気で始まったという。実はこのメンバーでの会食は初めてではない。去年5月14日、石破総理はまだ総裁選に立つのか迷っていたため、小泉元総理は総理総裁になる心構えというのを説教風で石破総理に話したという。23年前、石破氏を初入閣させた当時の小泉総理。去年、総裁選への出馬を迷っていた石破氏に、アドバイスを送りこれが出馬のキッカケとなったという。それから1年余、総理総裁として窮地に立つ石破氏との間で、どんなやりとりが繰り広げられたのか。
この日、話題の中心となったのは今後の進退について。小泉元総理の激励に無言で耳を傾けていたという石破総理だが、ある一言で和やかな空気が凍りついたという。なぜか進次郎という名前に微妙な表情をみせたという小泉元総理。気まずい空気の中、必死で話題を変えたという山崎拓元自民党副総裁。政治ジャーナリストの後藤謙次氏は、石破総理が進次郎氏の名前を挙げたのには狙いがあったのではと推察する。「小泉さんが出ることが今の総裁選の前倒しを巡る議論にも相当な影響を与える。もちろんこの局面では(総裁選に)出ないでほしい。それをお父さんの口から聞いてみたいと、その思いは非常に強かったと思いますね」と話す。そんな微妙なやりとりの中、届いたのは内閣支持率の上昇を伝える大手新聞社の世論調査。意外な世論の動きに石破総理は笑顔を見せたという。そしてこの日、小泉元総理が石破総理に最も熱く語ったというのが「郵政解散」の体験談。当時、郵政民営化に反対する自民党議員を抵抗勢力と呼ぶと、衆議院を解散。「自民党をぶっ壊す」というスローガンのもと、抵抗勢力の公認を取り消し刺客候補を放つと、世論の強い支持を受け衆院選を圧勝した。解散総選挙のヒントとは何を意味するのか。石破おろしをめぐり揺れる自民党。
