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ことし、金の価格は最高値の更新が相次いでいる。ニューヨーク商品取引所では、10月30日に1オンス2800ドルを超えた。静岡県伊豆市の観光施設にある、世界一の重さに認定された土肥金山の巨大金塊の写真を紹介。重さは250キロで、10月31日の価値は37億9050万円になる。展示を始めた2005年と比べ、9倍以上高くなった。金の値上がりの理由は大きく分けて3つ。1つ目は「有事の金買い」。金は実際に存在する現物資産と呼ばれ、通貨は国の信用に基づき流通している。このためウクライナや中東情勢の悪化など、世界経済の先行きに不安が高まった場合は、通貨の信用と比べると確実で安全な資産の金の価値が増して金を買う、いわゆる有事の金買いといった動きが強まる。2つ目は「米国の利下げ」。米国のFRBは、ことし9月から利下げを進めている。銀行に預けるドルは金利が高ければ多く利息がもらえるが、金には利息はつかない。米国の金利が徐々に下がり利息が減っていくと、相対的に安全資産である金の価値が増すため金が買われやすくなる。3つ目は「中央銀行による金の購入」。特にトルコやインドといった新興国でその動きが顕著に見られる。こちらも有事の金買いで、地政学的リスクの高まりで金を確保したいと考えるのは、個人も中央銀行も同じ。専門家によると、安全資産としての金を買う動きはこれからも続くという見方が多い。だが、金は金融商品の一つのため、価格が下落するリスクがあることは十分に認識しておく必要がある。