藤井八冠 タイトル独占崩れる 伊藤七段 初タイトル獲得

2024年6月20日放送 21:19 - 21:29 NHK総合
ニュースウオッチ9 (ニュース)

将棋・藤井聡太八冠は、八大タイトルの一つ叡王を失った。去年10月以来続いていたタイトル独占が崩れた。新しい叡王は、同学年・伊藤匠七段。初めてのタイトル獲得。「第9期叡王戦」の最終局。買ったのは挑戦者・伊藤七段。藤井七冠は「終盤の制度が低かったことが結果にもつながってしまったかなと」と述べた。2人は小学生のころから将棋大会で対戦するなど、しのぎを削ってきた。藤井八冠が伊藤七段のタイトル戦3度目の挑戦を受けたのが今回の叡王戦五番勝負。藤井八冠は先に2敗し、初めて先に角番に追い込まれた。しかし先月の第4局で勝って2勝2敗に。決着はきょうの最終局に持ち込まれた。対局が行われているホテルには、約300人の将棋ファンらが集まった。注目の対局を見守ろうと、都内の会場には約40人のファンが集まっている。対局の合間には、おやつの提供も。藤井八冠は、ミルクレープとアイスレモンティー。伊藤七段は、ショートケーキとアイスティーを注文。「第9期叡王戦」最終局;将棋・藤井聡太八冠×挑戦者・伊藤匠七段。藤井八冠が156手までで投了。伊藤七段が叡王戦を制し、3度目の挑戦で初めてタイトルを獲得。藤井七冠は「時間の問題だと思っていたので、あまり気にせず、これからも頑張りたい」、伊藤新叡王は「自信のない展開が続いたが、なんとか辛抱強く指すことができた」とコメント。伊藤七段の師匠・宮田利男八段は、まな弟子の初タイトルについて「辛抱で逆転した。さすが」と語った。対局を見守った森下卓九段は「やっぱり強い。お互い。わずかなすきを的確に挑戦者・伊藤七段がとがめた」と述べ、「同年齢のライバルとして佐藤九段、羽生九段、森内九段のように40年以上にわたりしのぎを削るような名局、激闘を見せてほしい」と2人にエールを送った。日本将棋連盟・羽生善治会長は「今回の五番勝負は、最先端の将棋の魅力が余すことなく表現されたシリーズだと感じた。今後も藤井竜王名人としのぎを削る勝負を、末永く繰り広げられることを期待している」というコメントを発表。伊藤匠新叡王は会見を行い「タイトルは子どものころから夢見てきたものなのでうれしい」と述べ、藤井について「藤井さんを追いかけてここまで来られたと思っている。まだまだ自分の方が実力が不足していると感じているので、今後も藤井さんとタイトル戦で戦えるように頑張りたい」と語った。藤井聡太七冠は今後も防衛戦が続く。現在は棋聖戦に臨んでいて、7月には王位戦が開幕する。その後も王座、竜王の防衛戦が予定されている。


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