NHKニュース おはよう日本 (特集)
訪日外国人旅行者の推移は2024年に入っても増え続けている。調査会社によると、旅館、ホテル企業の人手不足の割合は正社員で68.6%となっている。岐阜県の奥飛騨温泉郷はレトロな建物や露天風呂を楽しめ、外国人にも人気の観光地である。創業53年の旅館ではチェックインを無人化している。宿泊客は動画を参考に手続きを進める。鍵はパスワード方式となっていて支払いも事前にオンラインで行い、現金のやりとりはない。経営する長林さんは80歳を過ぎた頃から旅館業務の負担を感じていたという。助け舟を出したのが息子である。各地の旅館で行われている省力化を調べ、1年をかけて解決したという。食事を廃止周辺の食堂を使うように促している。現在は年間約3000人を受け入れている。旅館の取り組みはデジタル事業を抽象的に活用した中小企業として表彰され、県外の宿泊施設から導入に向けた問い合わせも来ている。
三重県鳥羽市では人手を安定して確保することが課題となっている。鳥羽市はプリ勤務の導入を進めている。高度なスキルを必要としない業務を切り分け、短時間での勤務を担ってもらう仕組みである。市内130の宿泊施設にプチ勤務の活用を呼びかけている。4年前に導入した旅館ではフロントでチェックインと予約管理、案内業務を切り分けた。案内や荷物運びはプチ勤務スタッフが担い、フロントの社員は受付に集中できるようにした。レストランでも細かく業務を分けている。キッズスペースの見守りを担当する森下さんは以前、児童養護施設でフルタイムで働いていたが家族との時間を優先するため1日数時間ほどの働き先を探していた。飛ばしではモチベーションづくりにも力を入れている。この日は観光業に携わる若者にセミナーを行った。