さわやか自然百景 (さわやか自然百景)
長野県の菅平高原。標高は1300から1500mほど。約70万から60万年前、火山から流れ出た溶岩が川をせき止めそこに土砂が堆積して形成された。現在、高原には牧場やスキー場などの草原が広がっている。5月、あちらこちらでアズマギクやオキナグサなどの花を咲かせている。そして、ノビタキが繁殖のため渡ってきた。草原で絶え間なく聞こえる鳥の声がある。鳴き声の主はヒバリのオス。空高くで鳴き続け縄張りを主張したりメスへアピールしたりしている。縄張り争いでは体がぶつかり合うほど激しくなることもある。5月のある日の朝、気温3℃で草原に朝霧が出た。すると森からニホンジカが現れた。群れを作って草原と森を移動しながら暮らしている。暑さに弱いウシにとって涼しい菅平は格好の環境。1日に50kgの草を食べる。草の中にはオオセンチコガネがいる。シカやウシなどの糞を食べて暮らしている。そして、アカギツネはそのオオセンチコガネなど小さな虫を食べる。動物たちの糞が小さな昆虫を育み、それを糧に鳥やキツネが生きていく。草原の環境がそうした命の循環をつくり出している。6月、草原は鮮やかな花に彩られる。産まれて2週間ほどの子ウシ。少しずつ草も食べ始め、半年後には乳離れする。春から初夏、草原で懸命に命をつなぐ生き物たちの姿があった。
