NHKニュース おはよう日本 (ニュース)
韓国のユンソンニョル大統領は昨夜一切の政治活動を禁じるなどした非常戒厳を宣布すると明らかにした。しかし韓国の国会が非常戒厳を解除するよう要求する決議案を可決すると、今日午前4時半ごろに再び会見し、非常戒厳について閣議を通じて解除すると発表した。このきっかけとなったのはユン大統領の緊急の談話で、来年の予算案に合意しないなど野党の一連の対応を批判したから。韓国で非常戒厳が出されるのは1987年民主化が宣言されて以降初。戒厳司令部は富国令を出し、国会や地方議会での一切の政治活動や社会の混乱を助長するストライキや集会を禁じるとしている。また全てのメディアと出版は戒厳司令部の統制を受けるとしていて、フェイクニュースや世論の捜査、虚偽の扇動などを禁じるとしていて、違反した場合は礼状がなくても逮捕や拘束、捜索などが可能になるとしている。また国防省が軍の警戒態勢の強化を指示したという。一方韓国の国会はきょう未明非常戒厳を解除するよう要求する決議案を可決。国会議長は戒厳の宣布が無効になったと発表した。与野党はいずれもユン大統領の対応を非難している。韓国にある日本大使館は在留邦人向けのメールで、混乱や衝突など不測の事態が生じる可能性が否定できないとして注意を呼び掛けた。また外務省関係者はユン大統領と韓国政府の対応や現地状況などの情報収集に努めている、日本人の安全確保を最優先に、事態に変化があれば対応できるよう態勢を取っているとしている。
米国も懸念を示している。キャンベル国務副長官はバイデン大統領はブリンケン国務長官なども事態の進展について報告を受けているとコメント。その上で、いかなる政治的な争いも法の支配の下で平和的に解決されることを望むと強調した。そしてユン大統領は会見を開き、自らが昨夜発表した非常戒厳について、閣議を通じて解除すると述べた。ユン大統領の突然の発表を巡って韓国では混乱が続いている。