ワールドビジネスサテライト (ニュース)
梅雨とは思えない暑さが続く中、東京・銀座の気温計は34℃を表示していた。気象庁によると全国56地点で35℃以上の猛暑日を観測し、30℃以上の真夏日は598地点で記録した。都内の家電量販店ではエアコン売り場に多くの人がいたが、客の関心はやはり電気代。7月の電気料金は東京電力管内の標準家庭で6月使用分より約600円下がる見通しで、東電以外の大手9社でも値下がりするとみられる。政府は家庭負担を軽減するため、7月からの3カ月間電気料金に補助金を出す。また火力発電の燃料として使われるLNG(液化天然ガス)の価格が下落している。その背景について、エネルギー経済社会研究所の松尾豪代表は「米中摩擦で、世界最大のLNGの買い手である中国が春から買い控えている」などと話した。これまで中国はアメリカから多くのLNGを輸入していたが、報復関税によって取引が減少しLNG価格の減少につながったという、こうした中、国内最大の発電会社JERAはアメリカ企業から年間最大約550トンのLNGを調達すると発表した。この契約を後押ししたのはトランプ大統領の政策で、貿易赤字解消の一手としてLNGの輸出に力を入れている。また不透明な世界情勢も大きな理由の一つで、JERAの可児行夫グローバルCEOは「ウクライナ、中東情勢などの地政学リスクで、エネルギーの安定供給の重要性を痛いほどみんな思い出した」などと話した。電気料金はLNGの価格と密接に関係しており、エネルギー経済社会研究所の松尾豪代表は「LNGの供給力の増加で、今後電気料金は中長期的には下落していく可能性が高い」などとコメントした。