2024年4月24日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

クローズアップ現代
“偽の広告”で被害拡大 どうする「SNS型投資詐欺」

出演者
桑子真帆 
(オープニング)
“偽の広告”で被害拡大 どうするSNS型投資詐欺

著名人が投資をすすめるSNSの偽広告、被害総額は約278億円と急増している。無断で名前を使われた人たちに広がる怒りの声。具体的な対策を求めている。責任が問われるプラットフォーム事業者はどう対応するのか?今回、メタ副社長が単独取材に応じた。

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オープニング映像。

“偽の広告”で被害拡大 どうする「SNS型投資詐欺」
“偽の広告”で被害拡大 どうする SNS型投資詐欺

警察庁によると、去年1年間でのSNS型投資詐欺の被害額は約278億円。被害は全国で拡大している。

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警察庁

埼玉県の70代の男性は投資を検討するなかで、インスタグラムの広告を見つけた。投資アナリストの森永卓郎さん本人が投資のアドバイスを行うと宣伝されていて、男性は興味を持った。広告にはLINEへの誘導ボタンがあり、押すと直接やり取りができるようになった。男性はアシスタントの紹介を受ける。アシスタントとのやり取りを3ヶ月続けると、ある日資料が届いた。それは電気自動車関連の投資先についての内容だった。男性は専用アプリをダウンロードし合計200万円を投資した。運用をはじめて3ヶ月が経ち、利益が出たため売却をしようとすると、さらなる支払いを求められた。手数料などを繰り返し現金支払いし、被害総額は800万円になった。最後は英語で別れの挨拶が送られてきた。森永卓郎さんはそもそもSNSをやっていないので全部ニセモノだと注意を呼びかけている。

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InstagramLINE埼玉県森永卓郎

投資を呼びかける偽広告ではニュースサイトを語ったものも出てきている。読売新聞の偽のニュースサイトには実業家の孫正義さんと評論家の寺島実郎さんの架空の対談が掲載されていた。記ある投資会社に入金するとAIが短期間で爆弾な利益をあげるしていた。この記事を見て被害にあった60代の女性は投資会社のサイトに個人情報を登録した。スタッフと何度も連絡するなかで3万円を投資してしまった。投資詐欺を仕掛けているのは何者なのか?森永卓郎さんの偽広告にコンタクトを試みた。質問には答えずにグループチャットやアシスタントとのやり取りに誘導していく。直接電話をかけたところ相手は出ず、メッセージが送られてきた。取材を申し込んだところ、返信は途絶えた。

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孫正義寺島実郎森永卓郎読売新聞社

以前、投資詐欺に関わっていたという男性に取材した。男性は詐欺グループの多くがSNS型投資詐欺に走っているという。男性によると、これまでの手口では名簿を元に電話をしていて、現金は直接取りに行くなどリスクがあったという。SNS型投資詐は広告を出すことで多数の人に一斉にアプローチができ、年齢や性別などでターゲットを絞ることもできるという。接触してくる人はチャットなどで時間をかけてやり取りをすれば高い確率で騙せるという。送金もネット上で行うために摘発されにくいという。

海外を拠点とした詐欺グループも日本人を標的にしている実態がある。先月、タイで摘発されたのは中国人中心の詐欺グループ。日本語でのメッセージのやり取りが見つかった。

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バンコク(タイ)
“偽の広告”で被害拡大 SNS型投資詐欺の特徴は/“偽の広告”で被害拡大 プラットフォーマーの責任は?

SNS型投資詐欺の特徴を紹介。SNS広告からLINEのグループチャットに誘導する。やり取りでは不自然な日本語が混じっていることが多い。LINEチャットという閉鎖的な空間に誘い込む狙いがあるとみられる。LINEヤフーは通信の秘密の観点からグループチャットなどの閉じられたやりとりは原則監視していない、ユーザー側からの通報により不適切な行為が発見された場合はアカウント停止などの措置をとるという。

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生貝直人さんは、警察は詐欺グループ摘発の努力はしているが、プラットフォームが国際的に利用可能なものであり、世界中から詐欺行為の加担がしやすくなっているという。入口になってしまっているプラットフォームの果たすべき役割が多いが、ルールの整備が追いついていないと指摘。

“偽広告”に著名人の怒り 独自!メタ副社長に問う

実業家の前澤友作さんは怒りをあらわにした。前澤さんの偽広告は今月はじめに確認できただけで700件以上もある。前澤さんはSNSを運営するメタに対して改善を求めたがその対応は納得いくものではなかったという。事態が改善されない中、独自に専門チームを設置し、メタに通報しているが手口は巧妙化しているという。SNSで情報提供を呼びかけてところ、被害は250件、被害総額は27億円を超えた。今月10日、前澤さんは自民党の勉強会に出席し、堀江貴文さんとともにプラットフォーム事業者への規制を求めた。

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メタの副社長モニカ・ビッカート氏が単独インタビューに応じた。深刻な事態だと受け止めているが、徐々に改善しているが偽広告を識別するのは容易ではない、人の目で広告を審査しているが完全に詐欺を見抜けるわけではない、それを補うためにAIなど技術を使っている、詐欺グループの一歩先にいくように技術を進化させなればならないとした。審査を厳しくしすぎると一般の広告にも影響を与えかねないと懸念も示した。

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“偽広告”の対策は?責任は?独自!メタ副社長に問う/“偽の広告”で被害拡大 どうする SNS型投資詐欺

メタが回答した主な対策は、広告などの審査チームは世界で4万人、80以上の言語に対応、詐欺広告の手法をAIに学習させ自動検出、著名人のなりすましに特化した検出モデルを開発しているとした。生貝直人さんは対策は十分だとはいえない、詳細が明らかにされていないことを指摘した。プラットフォーム事業者への対応は海外は日本よりも先行している。EUやイギリスは違法コンテンツへの対応を義務づける法律を成立させている。オーストラリアは投資詐欺広告への対策を怠ったとしてメタを提訴している。生貝直人さんは広告や詐欺の問題に焦点を当てた議論が今後必要だとした。

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