2025年9月22日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

クローズアップ現代
なぜクマが町で“暴走”? 独自調査で迫る実態とは

出演者
桑子真帆 大西尚樹 
(オープニング)
オープニング
#5051 なぜクマが町で”暴走”? 独自調査で迫る実態とは
なぜクマは暮らしの中に? 独自調査で見えた”変容”

これまで約100人ものクマに襲われた患者を治療してきた医師によると、搬送される患者たちはいずれも顔面に深刻な外傷を受けているという。ことし、特に目立つのがゴミ出しなど日常生活の中で襲われるケース。いったいなぜクマは人の暮らしの中に現れ、被害を及ぼすようになったのか。その理由を解明するため、NHKは去年からクマの研究者や自治体と独自の調査を行っている。捕獲したクマにGPSを装着し、2時間ごとに送られてくる位置情報を分析。季節によってクマが利用している場所がシフトしていることが分かった。クマが繰り返し訪れる場所にあったのはスモモの木。かつて、集落の中で人が植えたものだが、今は放置されている。周辺には梨や栗などの実も放置されていた。同じクマで、去年とことしの7月の行動を比べると、ことしはより市街地へ近づいていることも分かった。

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スモモツキノワグマヒグマ佐藤隆一北上(岩手)北秋田(秋田)東京農業大学環境省福島町(北海道)秋田大学医学部附属病院鹿角(秋田)
なぜクマは暮らしの中に? 独自調査で見えた”変容”/クマと出会ったら…どう命を守る?

森林総合研究所の大西尚樹さんをゲストに迎えた。まず、クマと出会わないことが大事。そのためには、音で存在をアピールすること、複数人で行動すること。万が一、クマと出会ってしまった場合はパニックになってはいけない。目を見て後退りをすること。後ろを向いて逃げてはいけない。

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アメリカ合衆国環境保護庁クマ秋田県
市街地のクマどう対処? 始まった「緊急銃猟」 課題も…

2025年9月から、市街地でクマが出没した場合、地元猟友会への発砲命令が警察だけではなく市町村でも判断できるようになった。この緊急銃猟に向けて各地では訓練が行われた。猟友会の人に話によれば、クマが出没した場所によっては命令を出されても発砲することが難しい場合もあるという。

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クマ下川町(北海道)北海道猟友会
市街地のクマどう対処? 始まった「緊急銃猟」 課題も…/深刻化するクマ被害 北海道 ”攻め”の対策

おととい、山形・鶴岡市の市街地にクマが出没。鶴岡市が実際に発砲許可の判断を下したが、その準備中にクマが人に向ってきてしまったため、結局は現場にいた警察の命令で発砲するという事例があった。

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クマ鶴岡市鶴岡(山形)
深刻化するクマ被害 北海道 ”攻め”の対策

クマの被害が深刻化する北海道ではクマ対策の政策転換を図っている。その取り組みの1つが、クマが冬眠から目覚める春に山に入って駆除などを行う春期管理捕獲。目標の生息個体数を定めクマの数を積極的に管理しようとする新たな政策の一環として初めて導入された。クマに警戒心を植え付け、山の奥へ押し戻そうという自治体も。スノーモービルで音を立て、人間の存在を知らしめる。こうした取り組みに参加しているのは主に猟友会のメンバー。高齢化も進んでいる上、本業はまったく別の仕事。

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クマ三笠(北海道)北海道鈴木直道
人とクマの共存 いま求められることは

猟友会の人たちについて大西尚樹さんは「クマを撃つプロフェッショナルではあるが、あくまでも民間団体。地域住民の安全を守る責任を負わせるというのはちょっと違うと思う。行政として予算をつけ、専門の職員として採用するということが必要」などと話した。秋田県は県の職員としてクマの専門職員を雇っているという。

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クマ秋田県

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