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オープニング映像。
今回は山形県東根市はシーズンの6月になると、さくらんぼハウスで埋め尽くされる。そのさくらんぼ農業を営む武田さん。父の正春さんと二人三脚で宝石のように作る化粧箱のさくらんぼを武器に作り続けている。初夏のフルーツを襲った真夏の暑さ。猛暑とたたかうさくらんぼ農家を取材した。2025年に山形はさくらんぼの栽培開始から150年という節目を迎えた。明治初期に西洋文化とともに日本に持ち込まれたさくらんぼ。昼夜の寒暖差があり雨が少ない気候で山形でのさくらんぼ栽培に適していた。大正時代に入ると、さくらんぼの代名詞の佐藤錦が東根市で誕生。山形は国産の7割を占めるさくらんぼ王国となった。武田駿さんはさくらんぼ農家として就農して、10年以上が経過。祖父の代から続く農家でさくらんぼ県として、その名が知られた昭和初期にさくらんぼの生産を生業にしていた。100年近く続くさくらんぼやだが、去年にこれまでにない不作を経験。
畑に大量発生したのは果実月らな双子果。猛暑が影響していると考えられ、その味は普通のさくらんぼと変わらないが規格外。さらに、収穫時期のさくらんぼを襲ったのは連日の30度超えの暑さ。根が焼けたり、病気が発生したりして出荷できないものが多くなった。中でも暑さの影響をうけたのは、栽培面積の7割を占める佐藤錦。山形の収穫量は平年の67%まで落ち込み、売り場からはシーズン早々にさくらんぼが消えた。深刻な温暖化の影響で、6月の山形の平均気温は残っているデータで最も古いデータで19.1度。2024年には3度高くなっている。この気温上昇によって、栽培に適した場所が北上しつつある。九州・四国などが敵地の温州みかんは将来的に東北地域の一部で栽培できるという予測がある。北海道仁木町では北海道産さくらんぼを栽培しているが、山形が不作に終わった1ヶ月後に収穫の最盛期を迎えていた。近年北海道のさくらんぼは国産全体の1割を占め、その差は大きいものの、山形に継ぐ第二の産地に位置づけられている。去年は山形の不作の影響で市場からの引き合いが高まり、販売価格は1.2倍に高騰した。
青森県が売り出しているのは大玉品種のジュノハート。高級品を目指す独自の販売戦略により、高値で取引される。激しさを増す産地間競争。いま山形は底力を試されている。しかし2025年に、さくらんぼ屋たちは難しいシーズンを迎える。
2025年の3月、雪解けのこの季節からさくらんぼ屋たちの作業は本格化する。この時期に心配されるのはめしべが凍ることで実がつかなくなる霜被害。温暖化の影響で、生育が早まっているそのリスクも高まっている。霜対策は気温の下がる夜に行われる。枝松さんはヒーターを温める方法で枝を霜から守り、朝まで火を炊くことで木の周りの気温をあげる霜対策。燃料代は高騰しているが、霜の予報がアレば毎晩のように火を灯す。4月になり、ハチが訪れたが花粉を運び、さくらんを受粉させる。自然に任せるだけでなく、農家も手作業で花粉をつけていく。実がなる確率を上げる作業で、しかしその1ヶ月後には花の時期の強風や雨で受粉が進まなかったとみられる。中でも佐藤錦は2年連続の不作に。
短大を卒業後に、すぐに農家を継いだ武田さん。収穫の効率をあげるために細心の技術を取り入れるなどの取り組んできた。6月になり収穫時期を迎えたが、武田さんたちが暮らす東根では6月にもかかわらず30度以上の真夏日が一週間も続いた。平均気温は去年を上回り最も暑い6月になった。ただでさえ不作の佐藤錦は実が赤くならないまま、中身だけ熟す異常な事態に。影響がすくなかった品種は佐藤錦の味を受け継ぐ紅秀峰は大玉品種で、武田さんたちは紅秀峰げの品種転換を進めている。今シーズンは、平年に比べ半減した佐藤錦に対し紅秀峰は、2割減で踏みとどまった。また新たな取り組みにドローンを飛ばして光を遮る遮光剤を温室に吹きかけて中の温度を下げることが期待される。熱さの影響で今年も多かった双子果。規格外として弾かれてきたが、今年はその見た目を逆手に取った。店では双子果を魅力をひろめようと仕掛けている。2025年の山形県さくらんぼは過去最低の8500トンの見込み。
エンディング映像。