2023年11月25日放送 9:30 - 10:00 NHK総合

ドキュメント72時間
岩手・大船渡 小さな新聞社にて

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(オープニング)
オープニング

岩手県大船渡市に長年、地元の人たちに親しまれている新聞がある。今回の舞台は社員30人の小さな新聞社。その紙面づくりに密着する3日間。記者たちはどんな思いで地域と向き合っているんだろう。東日本大震災から12年を迎える3月11日。どんな新聞ができるのか、その舞台裏を見つめてみた。

キーワード
大船渡市(岩手)東日本大震災
岩手・大船渡 小さな新聞社にて
3月8日(水)

大船渡市の小高い丘の上にその新聞社はある。3月8日(水)の午後から撮影開始。午前中に大船渡一中の改築工事の完成引き渡し式の取材をし、その記事をまとめているという男性社員がいた。学校ができるという大ニュースだった。新聞の名前は「東海新報」。主に大船渡市や陸前高田市など気仙地域の情報を扱う。佐々木朗希も気仙地域出身で、小学生の頃から取り上げられてきたという。2階には新聞を組む部署がある。「ゲラ」という試し刷りは1階と繋がっている筒に入れ、1階の社員が確認する。修正を入れると、また筒に入れて2階へ送る。時間短縮のための昔からのシステムとのこと。1階で女性のお客さんが来ていた。この前、孫が新聞に掲載されたので、その写真を大きくしてもらいにきたのだという。身内が新聞に載っている時は買いに来るという。購入した写真は額に入れてお孫さんにプレゼントする。また来客があった。WBCに関連した記事を売り込みに来た地元の人だった。夜7時過ぎ、なにやら不穏な空気。突発の記事が入った影響で空白のスペースができるトラブルが発生していた。入社11年目の記者の発案で、地元のイベント案内を入れることで窮地を脱した。校了すると、2階にある自前の輪転機で印刷する。午後8時過ぎ、まだ仕事をしている記者たちがいた。毎年震災の日は特集号を出していて、その準備が佳境に入っている。遅くまで働く仲間たちのために炊き出しをしている女性たちがいた。その1人は、この新聞社の社長の鈴木英里さん。会社は鈴木さんの祖父が65年前に創業した。

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佐々木朗希大船渡市立第一中学校大船渡市(岩手)東日本大震災東海新報
3月9日(木)

撮影2日目。記者たちは震災以降12年、変わる町を見続けてきた。新聞社には1人の女性が交通安全教室の告知の依頼に来ていた。社員との会話にはあの日のことが話題に上がった。12年が経っても、まだ昨日のことのように感じているという。午後、入社4年目の菅野記者の取材に同行した。市内の高校を訪れた。太鼓の競技大会に出る部活動の取材にあたっていた。菅野記者は3月11日の新聞を一面を任され、頭を悩ませていた。菅野記者は震災当時は中学2年生だった。菅野記者は十三回忌をテーマに記事を作ろうとしていた。夜、編集部長が震災の翌日に出したという新聞を見せてくれた。これが彼らの原点だという。

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大船渡市(岩手)岩手県立大船渡東高等学校東日本大震災東海新報
3月10日(金)

撮影3日目。3月10日。東日本大震災の行方不明者捜索や、隣町の高校で開かれた震災行事など、記者たちはこの日も取材にあたっていた。夜7時過ぎ、輪転機が回り始めた。3月11日の新聞が完成。初めて一面を担った菅野記者は、表現の部分でまだまだと思うところはあるものの、自分の書きたかったことは文章に込められたと感じていた。菅野記者の記事は「これからも犠牲者と遺族の心に寄り添い続ける」と締めくくられていた。

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大船渡市(岩手)大船渡警察署岩手県立高田高等学校東日本大震災東海新報
3月11日(土)

撮影4日目。3月11日。何十年もこの新聞を愛読しているという女性がいた。特にすることがなければ何度も新聞を読むという。記者たちはこの日も現場へ足を運んでいた。

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大船渡市(岩手)東日本大震災東海新報
(エンディング)
次回予告

ドキュメント72時間の次回予告。

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