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今回の舞台は鹿児島空港。出会いと別れが交錯する春。様々な事情をカバンに詰め込み、みんなどこへ旅立って行くんだろう。3日間、空港を行き交う人たちの声に耳を傾けた。
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- 鹿児島空港
お昼の12時から撮影開始。チェックインカウンターの前で、搭乗手続きに向かう人たちがいた。アメリカに住んでいる学生時代からの友人が帰国するのを見送っているところだった。続いて、到着ロビーの一角で記念撮影をしている人たちに声をかけた。2年間の宣教師としてのボランティアを終えて、名古屋から鹿児島に帰ってきた男性を迎えているところだった。ベンチに座る1人の男性に声をかけた。設計の仕事で2週間ほど鹿児島に出張滞在していたという。展望デッキにいた女性に声をかけた。大学を卒業した息子が、就職先のある神奈川に行くのを見送っているところだった。夕方になっても空港内にはたくさんの人がいた。鹿児島空港からは県内の7つの離島へも毎日30便近くが飛んでいる。今日で学校が終わり、これから地元の屋久島に帰るという寮暮らしの女子学生がいた。屋久島にも高校はあるが、島を出てみたいとの思いから、鹿児島市内の高校を選んだ。整形外科医の男性がいた。人手不足の地方と東京を9年間行き来しているという。夜8時をまわると、人は減り、空港内は静かになってきた。到着ロビーには何やら挨拶を交わす人たちがいた。身内の不幸で集まった親戚同士だった。最終便到着後の夜10時前、建物は施錠され入れなくなった。外のベンチに座っている女性に声をかけた。100歳の母親が危篤状態に陥り駆けつけたが間に合わず、最後を看取ることができなかったという。
撮影2日目。6時に空港が開くと、あっという間に大混雑。これからソフトボールの全国大会のある京都に旅立つという集団がいた。ロビーで肩を組んで歌を歌い、全国大会優勝を誓った。別の集団にも声をかけた。関東(茨城)の総合病院に就職する子どもたちを、親戚一同や近所の幼馴染ら総勢21人で見送っていた。午後、到着ロビーに元気な男の子がいた。AFSという交換留学の財団とホストファミリーの集まりで、男の子の家にホームステイするチリ出身の男の子を待っているところだった。続いて、これから転勤で東京に行くという女性がいた。夫は店を経営しているため、夫は鹿児島に残して16歳の娘と2人で行くという。続いて、中学の卒業旅行でディズニーランドに行った娘さんを待つお父さんがいた。娘さんは、旅行を許してくれた親への感謝もあって、泣いちゃうくらい楽しかったという。
撮影3日目は朝から雨が降っていた。まだ空港が開いていない6時前に、空港前にいた2人組の男性に声をかけた。就職で東京に行く友人をサプライズでお見送りするために来たとのこと。到着ロビーで立ち話をする人たちがいた。結婚式のためにカナダから夫とともに一時帰国した女性が、家族を待っているところだった。女性はもともと日本で看護師をしていたが、行き詰まりのようなものを感じてワーキングホリデーでカナダに旅立ったのだという。人は旅に出る。その先に、新しい出会いが待ってるから。
撮影4日目。プロペラ機に乗るため大阪から来た親子がいた。お子さんは、飛ぶ瞬間や着陸時にガンガンなるのが面白かった、などと話した。看護師になるため旅立つ子どもたちと、それを見送りに来た親御さんたちがいた。子どもたちは楽しそうだったが、親御さんたちは心配そうにしていた。
「ドキュメント72時間」の次回予告。