- 出演者
- 佐々木明子 真山仁
兵庫・神戸市の神戸大学 総合研究拠点。小説家の真山仁が訪ねたのは数学の天才・神戸大学教授の木村建次郎。木村が開発したのは物体内透視技術。リチウムイオン電池の火災は都内だけで年間150件の発生している。木村は世界で初めて電池内を数学の力で可視化した。NEDOが約25億円の助成金を出し、自動車・電池メーカーからも受注している。難問に挑み続ける木村は、波動散乱の逆問題という未解決問題を解明した。その計算を元に世界で初めて発明したのがマイクロ波マンモグラフィで、がん細胞だけを見える化する。今週は真山仁が見えないものを見る物体内透視技術を開発した木村にさらに深く切り込む。
見える化を始めたのは五日と聞かれた木村建次郎は、見えないものが見える機械とか方法を作りたいよりは、どうなっているか知りたいという。
痛くない乳がん検査機や、リチウムイオン電池検査機など、物体内透視技術を開発した数学の鬼才・木村建次郎。木村が開発したゲートも見える化に成功しているという。従来の保安検査は荷物X線検査や金属探知機など2つの検査が必要だったが、木村のゲートなら一度で済むという。このゲートは凶器だけを発見できるという。木村は9.11の同時多発テロの時にアメリカで保安検査が厳しくなってX線を使ったゲートが流行ったが、妊婦など女性の問題があったというと、佐々木明子は空港で検査をする時ボディーラインが出るのが抵抗があると話していた。木村は、今は縦置きなんですけど地面に埋めるものを作っているという。木村が開発したゲートはテーマパークなどでの活用が期待されている。
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ノーベル賞候補とも言われる木村が数学に目覚めたのは意外なきっかけだった。数学に興味を持った時期は、中学2年生ぐらいでそれまでは画家になりたかったという。テレビでNASAの宇宙ロケットが飛んでいるのを見てかっこいいと思って父親が学者なのでどうやったら宇宙の研究者になれると聞いたら、良い大学行かないと駄目、今の勉強じゃ駄目だと言われて、ピアノとか油絵を全部やめて、数学オリンピックの問題とか本が家にいっぱい置いてあったので、などと説明した。一番褒めてもらったのはモーレーの定理を解いた時で、学者になれると言われたという。木村は、京都大学工学部に進学するが「理学部数学科に行こうと思っていて、父親の存在が大きいんですけど、やめておけと言われた 数学は数学科に行かなくても勉強できる それよりも新しい発明 役に立つ数学をやりなさいと言われた」という。そして父となった木村は自宅で子どもたちと数学を楽しんでいる。木村は「既に子供は僕を超えている 歯が立たない 家出黒板で計算していたら『なんかいまいちだな』と言われて」と笑っていた。木村は「その瞬間その瞬間を生きている僕らにとっては客観性を追求するということは間違っているというぼくの結論」だと語っていた。様々な木村の発明に触れた真山が確信したのは、発明のキーワードは”死”。死にこだわっていると指摘すると木村は「僕は死について毎日考えている」「人がお金を出す瞬間は死ぬ瞬間 そのお金を僕らは死と交換する」などと答えていた。
木村は人間の真髄に迫る研究で次なるブレイクスルーを見据えていた。目指すは脳と心の可視化。木村は「脳に流れている3次元的な電流を可視化したい 脳もコンピューターの配線のようにいっぱい線がある 何億 何千億と すべての流れている電流と人間の行動がどう関係しているのか」と話す。真山は脳はCPUだったりするかと質問すると、木村は「人間は図面がないので 図面があるのがコンピューターで図面がないのがヒューマン」などと語った。木村は、人間の死というのは脳の死、人間にとって今ある光学的なパーツでどう考えても置き換えられないのは脳だけ、それ以外は逆に全部置き換えられると話していた。
神戸大学の木村建次郎教授。真山仁が最後に聞きたいことは、ブレイクスルーとは?木村は、新しい知識や事実を自分が一番最初に知りたいから、だと語った。
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