2024年4月27日放送 10:30 - 11:00 テレビ東京

ブレイクスルー
“サバがマグロを産む”未来の養殖技術に小説家・真山仁が迫る

出演者
佐々木明子 真山仁 
(オープニング)
オープニング

いまクロマグロが絶滅の危機に瀕しているなか、サバがマグロを産むという次世代の養殖技術に挑む人物がいる。鍵を握るのは謎の物体。水産業界の歴史を根本から変える最先端の現場を直撃する。

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(ブレイクスルー)
”サバがマグロを産む”驚愕技術

日本で唯一海を専門に学べる国立東京海洋大学。今回の開拓者は魚の養殖技術を30年以上研究している吉崎悟朗さん。去年、さかなドリームというスタートアップ企業を立ち上げた。吉崎さんが研究しているのはある魚から全く別の魚を誕生させる代理親魚技術。精子と卵の大元になる生殖幹細胞を別の種類の魚に移植するとその魚の精子と卵から元の魚が生まれるという。2020年に試験管の中で生殖幹細胞を増やすことに世界で初めて成功した。 いま太平洋クロマグロは絶滅の危機に瀕している。人間の乱獲により減り続け準絶滅危惧種に指定されている。

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なぜ別の魚に産ませようと思ったか聞くと、吉崎教授は「サバがマグロを産むようになれば小さな水槽でマグロが生産できる」などと話す。研究はサバ科のサバのグループを代理の親にしてマグロの精子を作るところまでが今できるようになったこと。今度は母からマグロの卵をとるのが残り半分のミッションだという。マグロの精子を作るまでに20年かかっている。ミヤコタナゴとは全く別の魚のアブラボテに生殖幹細胞を移植することで絶滅危惧種の繁殖に成功した。

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絶滅危機から救う”代理親魚技術”

サバがマグロを産む。次世代の養殖技術研究する吉崎に小説家真山が迫る。吉崎さんは既に世界で初めて絶滅危惧種の大量増殖に成功している。別の親に魚を産ませる”代理親魚技術”とは実際に代理の父母になる魚にほしい魚の生殖幹細胞を注射する実験。生まれたてのアブラボテに絶滅危惧種ミヤコタナゴの生殖幹細胞を移植する。針の太さはわずか0.08mmその中にはミヤコタナゴの生殖幹細胞が入っている。それをアブラボテの赤ちゃんに注射する。吉崎さんは「半年とか10ヶ月経って成熟したら移植した細胞の子どもを産む。大人の魚には免疫があるため細胞を異物と捉えてしまうため生まれたての魚に行う。始めは親の魚に移植して拒絶されたりなどがあり試行錯誤してたどり着いた方法などと吉崎さんは話した。マイナス196℃の液体窒素の中に絶滅危惧種の魚の生殖幹細胞が入っている。凍った幹細胞からいつでも魚が作れ、液体窒素のタンクには生殖幹細胞の入ったチューブが100本単位で入る。研究が実を結んだのは去年。世界で初めて冷凍保存した幹細胞から魚の孵化に成功した。冷凍保存した細胞は1000年経っても変わらず絶滅しても代理の親を使って蘇らせる事ができると吉崎さんは話した。

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吉崎さんは幼少期に父親とよく釣りに出かけた。もっと魚のことを知りたいと東京海洋大学に進学。その後アメリカのテキサス工科大学の研究員となり、以来30年以上魚の研究を続けている。研究を辞めない理由について「研究って大きなものにチャレンジすればするほどやっていて良かったと言える日はほとんどない。でも前に進むしかない。」などと話し「同じような研究を行っている研究者はほとんどいないから自分がやめたらこのテーマは誰もやってくれないのではという怖さがあって諦められない」などと話した。去年7月にはスタートアップ企業「さかなドリーム」を立ち上げた。かつての教え子などと共に世界一おいしい魚をつくる品種改良や養殖技術を開発しビジネスとしても展開を始めた。研究を一般社会の利益に繋げなきゃいけない気持ちもある?との質問に対し吉崎さんは「新しい技術が消えることは意外に多いと思う。そのために社会実装を走らせることが必要だと思いますね」などと話した。その上で吉崎さんは「美味しい魚を品種改良でつくる研究はほとんどやられていない。洋食は天然の魚を保管するものという立ち位置であることが多いので最終的には天然のマグロを超えるマグロをつくる。」などと話した。

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”サバがマグロを産む”未来の養殖

真山氏の種を超えてサバがマグロを産むと生態系が歪んだりなどしないのかとの質問に対し、吉崎氏は「長い地球の歴史の中で滅びていくべき生き物を無理な形でとっておこうとは全く考えていない。今は第6大絶滅期と言われているがその原因は人間で人のエゴで追い詰めた魚を守りたいというのが我々がやっている方法の根っこ」などと話した。吉崎氏にとってのブレイクスルーについて「人ですね。ここまで研究が進んだのはチームの力」などと話した。

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(エンディング)
配信情報

ブレイクスルーはテレ東BIZ・TVer・U-NEXTで配信。テレ東BIZでは小説家真山仁の深堀りコンテンツも。

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