- 出演者
- 佐々木明子 真山仁
小説ハゲタカシリーズを執筆している真山仁さんが未来を切り開く開拓者にせまる。今回は衛星写真を最新AIで画像処理。建物の影を消し去り車の画像を正確に導き出した。政府や企業も欲しくなる最新AI活用術を開拓した柳原尚史社長にせまった。さらに柳原社長はハゲタカシリーズをAI化。
オープニング映像。
生活ゴミのなかにもAIシステムが導入されている。ゴミの燃焼系の施設を解析できるAIを導入しており、焼却の技術を熟練の人がいなくても24時間AIにやってもらおうという。ゴミには水分を含んだものや様々なものが入っている。そのうちの焼却炉は有毒ガスを抑えるため800度から1000度まで維持する必要がある。そのためゴミの仕分けは熟練のわざが必要になる。これまでは運転員が常に監視して作業を行っている。そこにシステムが導入されることにより労働環境が一変した。柳原さんはこの仕分けのために、画像の解析から行った。燃えやすい枝や泥といった燃えやすさをAIで判別。さらにAIの解析で中身がわからないゴミはピンクで識別、これを見つけるとAIが操縦し落として袋を破り燃えやすさを判断する。これによりほぼ無人運転がかのうになった。人で不足の解消だけではなく、人為的なミスも減らすことができる。
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- 人工知能
このシステムの開発において難しいのは学習データを何万枚も集めることができず、数百枚程度でシステムを開発することが困難だったという。通常はAIに何パターンもの画像を提供し学習させる。しかしゴミの形は様々、燃えやすいゴミなどの識別を手入力で数字で表記した。しかも極限まで画像を拡大し画素レベルも最大まで拡大し識別した。このゴミ判別AIは全国6施設で採用されており、さらなる拡大も期待できる。人間はAIに負けているのかという質問について、柳原さんはAIの開発をするたびに人間の凄さに驚かされるし、職業としての醍醐味と話した。人間がやっていた作業でシステム化できた部分をAIと呼んでいたが、まだシステム化できないロボティクスや触感など、その点はまだAIが置き換える道筋もついていないと話す。柳原さんがみる10年後について、テクノロジーに世界で10年後を想像するのはむしろ無責任と話し、今解けていない課題を解けるくらいの技術が揃ってきていると話した。たとえば自動運転の技術について、交通事故を減らす技術がほしいということであれば、10年後の自動運転よりできることがたくさんあると述べた。
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AI解析の開発には以外な原点があった。柳原さんは母が絵本作家で祖母が起業家で会社を立ち上げていた。特に母親はどれだけ売り込んで自分を認識してもらうかに努力をしていた姿をみて、相手の評価が100パーセントだということを幼少期から鍛えられていたと話す。そして面白いもの、自分が欲しいものは作れというカルチャーだった。周りがもっているゲームはなく、パソコンだけは置かれていたので、自作でドラクエをつくっていたという。プログラミングの学習については秋葉原には親が連れて行ってくれていたので、そこにおいていた本は全部読んで見まねでおぼえたと話す。その後早稲田実業中等部、早稲田大学に入学し、就職のときに分岐点があった。将来像において就職するか起業するか考えたとき、社会を動かしている大企業とはなにか入社して勉強することが起業のときに役に立つとおもい大企業に就職、世界的な金融機関を渡り歩いた。10年経ったときには起業するときめ、リッジアイを起業。最新AIを使い国内有数企業となった。起業のプロジェクトは白黒の画像を元のカラー映像に戻すAIを開発した。
これまでになかった独自のAI活用術で革新的な画像解析を可能にしたリッジアイ・柳原尚史社長は真山仁の小説「ハゲタカ」を映像化したものを用意。生成AIの浸透とともに広がったのが著名人たちの画像を加工して作られたフェイクニュース。AIの社会実装を進める柳原にとって行く手を阻む大きな壁として立ちはだかっていた。悪用されるAIの脅威。柳原尚史は「残念ながらAI技術を悪用する人もいる。リッジアイの中で、前向きなことを考える人が集まる。面白い使い方、社会が良くなる使い方をどれだけみせられるかに尽きると思っている。10個よくすることを常に考えている」などと話した。AIで世の中を変える柳原の原動力はある意外な趣味だった。柳原はトレイルランニングが大好き。トレイルランニングとは舗装されていない道を走るスポーツ。柳原が挑んだのはおよそ170kmのコースを40時間以上かけて走り抜くという世界最高峰の過酷なレース。柳原は「レースをやめる言い訳がボンボン出てくる。それに対して一歩進むのか言い訳通りやめるのか、20時間寝ないで走ってるとずっとそれを考えるようになる。不言実行より有言実行のほうが苦しい」などと話した。
ブレイクスルーとはという質問。柳原尚史は「新しいAIのの使い方を提唱し続け社会にインスピレーションを与え続ける」などと話した。