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今回は石川県・能登で活躍するプロフェッショナルの姿に迫る。
- キーワード
- 輪島市(石川)
震災によって桐本の工房は入ることができないほど荒れ果て、製作途中の漆器にも傷が入ったが、桐本は傷の入った漆器も直すことができると語る。輪島塗は優美なだけではなく堅牢であることも特徴の一つで、桐本は長く普段遣いできる輪島塗を目指して仕事を続けてきた。地震発生から1ヶ月後、桐本の工房には自身の仕事を道具を回収しに来た塗師の今瀬風韻と木地師の久保田啓介の姿が。自身の生家が全壊し、震災がトラウマになっているという久保田は「全く別の仕事も考えている」と明かした。そうした職人の本音に、桐本は「焦りは禁物」と語る。
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- 輪島市(石川)
2月8日、桐本は避難所で暮らす職人の小路貴穂の元を訪れた。桐本に誘われて工房を訪れた小路は久保田と再会し、息災を喜んだ。
能登町役場にはジェラート職人・柴野大造の姿があった。故郷である能登の素材にこだわったジェラートを作ってきた柴野は、災害支援に駆けつけたスタッフに自身のジェラートを差し入れた。柴野はその足でジェラートの原料である塩を生産している職人の山岸順一、牛乳の生産者である西出宏らを見舞った。苦境の中でも相手のことを思いながら生産を続けている彼らの姿に、柴野は能登の職人が作った牛乳と塩を使った新たなジェラートを作り上げた。
2月中旬、桐本は取引先の百貨店を訪れて今後について相談を交わした。デザインを学んでいた学生時代から「ほっとする瞬間を木と漆で表現したい」と考えてきた桐本だが、その道程は順調なものではなかった。バブル崩壊と同時に地場産業が停滞する中、桐本は自身の工房に若手の職人を集めて自社で輪島塗を一貫製造するという変革に着手する。その姿勢は伝統の世界では異端と見做され大きな批判を受けてきたが、苦境の度に桐本は自身と職人を鼓舞しながら新たなものを生み出してきた。
2月16日、桐本は職人たちのために仮設工房を作るという提案を携えて市役所を訪れた。市内にある輪島塗工房の8割が被害を受ける中、桐本は職人が離れてしまうのを防がなければならないと旗を振る。そんな中、塗師の今瀬は震災で被害を受けた漆器を修理していた。同じく小路も仕事を再開。工房に活気が戻り始めた。3月には久保田も工房に合流した。
能登でそれぞれの仕事を続けるプロフェッショナルたちは現在も復興に向けて動いていた。
プロフェッショナル 仕事の流儀の次回予告。
「映像の世紀 バタフライエフェクト」の番組宣伝。