震災によって桐本の工房は入ることができないほど荒れ果て、製作途中の漆器にも傷が入ったが、桐本は傷の入った漆器も直すことができると語る。輪島塗は優美なだけではなく堅牢であることも特徴の一つで、桐本は長く普段遣いできる輪島塗を目指して仕事を続けてきた。地震発生から1ヶ月後、桐本の工房には自身の仕事を道具を回収しに来た塗師の今瀬風韻と木地師の久保田啓介の姿が。自身の生家が全壊し、震災がトラウマになっているという久保田は「全く別の仕事も考えている」と明かした。そうした職人の本音に、桐本は「焦りは禁物」と語る。
2月8日、桐本は避難所で暮らす職人の小路貴穂の元を訪れた。桐本に誘われて工房を訪れた小路は久保田と再会し、息災を喜んだ。
2月8日、桐本は避難所で暮らす職人の小路貴穂の元を訪れた。桐本に誘われて工房を訪れた小路は久保田と再会し、息災を喜んだ。