2025年8月10日放送 9:00 - 9:45 NHK総合

プロフェッショナル
「餅ばあちゃんの物語〜菓子職人・桑田ミサオ〜」

出演者
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(オープニング)
オープニング

御年93歳の菓子職人、桑田ミサオさんに密着。

file:435 餅ばあちゃんの物語
津軽半島 餅ばあちゃんの物語

青森県の菓子職人、桑田ミサオさんが作る餅を目当てに県外からやってくる人がいる。その桑田さんは93歳の今も自転車を乗りこなし、自然の中に分け入って、笹の葉を採っていった。取材を受けた年は笹の質が良くないというが、別の場所ではお眼鏡にかなう笹の葉を発見することができた。作業場に戻ると見た目が良くなるようにサイズを整え、清水で綺麗にしていた。桑田さんは母の言葉「一生懸命やることで、仕事、仕事教えてくれる」を話し、一生懸命やっているうちに経験が培われ、直感からやるべきことを見定められるという。ある時に桑田さんは笹の葉を束ねると作業を止め、ジャスト30枚と予想。見事、的中した。

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五所川原市(青森)

取材を受けた年は観測史上、例年にない雨不足で、小豆は小ぶりだった。小豆は煮立てずに余熱で火を通し、時間をかけて水を吸うのを待っていた。あんこ作りにおいて、桑田さんに学んだ菓子職人には驚くことがあり、滑らかなあんこに仕上げるには繊維が多い皮を入れないようにするが、桑田さんは逆だったという。皮が多く入っているにも関わらず、滑らかなあんこで、手間暇をかけていることが伺えるという。桑田さんは素材を活かすことに考えを巡らせているが、「要するにケチ」と話す。作業の合間、日課の体操で息抜きしていた。

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あんこ五所川原市(青森)小豆赤坂(東京)

餅作りはあんこと米粉を練り混ぜるのみとシンプル。手袋をしないことで、素材のちょっとした異変が分かるといい、桑田さんは「10本指は黄金の山、母からいただいた宝物」と話す。桑田さんは生まれる前に父が亡くなり、母のミエさんが4人の子を養育した。家は貧しく、学校に通うこともままならなかった。裁縫や料理など生きていくためのスキルは母直伝で、19歳で地元の男性のもとに嫁いだ。やがて子どもを授かるも、桑田さんは肺病を患った。闘病しながら子どもを育てるのは辛く、母のミエさんに愚痴をこぼしたが、母は1人で4人を育てたことが思い出され、愚痴を言うことをやめたという。その後、保育園の用務員をしながら夜は内職し、2人の子どもを育てた。

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桑田ミエ

60歳の時、桑田さんは特別養護老人ホームを訪問し、持参した餅を贈ると感涙してくれた人がいて、一生続けようと決意。材料から育て始め、試行錯誤に5年、満足のいく材料ができるまで10年の月日を費やした。今では地元の鉄道車内で販売するまでになった。桑田さんは今でも母との畑作業の記憶が色濃く残っているという。

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笹餅

12月下旬、桑田さんの表情は冴えなかった。一緒に暮らす息子夫婦がともにガンを患っていて、トイレや食事のたびに介助へ向かう日々で、「代われるものなら代わってあげたい」と吐露した。日中は介助があるため、深夜から笹餅作りをスタート。作業の合間、握り飯を用意し、取材陣に振る舞っていた。息子夫婦も食べてくれ、桑田さんは笑顔を見せていた。そして、笹餅作りに戻り、心血を注いだ。2ヵ月後、息子夫婦の治療が続くなか、桑田さんは93歳となり、孫たちから祝福を受けた。そして、季節は移ろい、春を迎えた。

プロフェッショナルとは、

桑田ミサオさんは「分からないことは幸せなことよ。そういう気持ちで人生送っていれば、いいことあるわよ」と話す。そして、 スタッフに菓子を振る舞った。

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