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石破総理は教育制度について「単一的な基準の学校機関のみを整備するだけでなく、多様な教育課程の編成が可能な学校についての整備も必要だと考える」、「本年度予算案では教師の働き方改革推進のための政策を盛り込んでおり、官民連携で推進していきたい」など答えた。
石破総理は人権について「高等学校等就学支援金制度は法令上支給対象について生徒が日本国内に在住していれば国籍を問わずに支援対象としていて、朝鮮学校については法令に基づく審査基準に適合しなかったため対象外となっている」、「人権諸条約の委員会による勧告は条約の規定上加盟国国内で法的拘束力を持たないことが明らかで、政府としては勧告内容を検討しており無視をしているわけではない」など答えた。
石破総理は同性婚の制度化について「同性婚を認めないことで不便を強いられている方々の意見は十分承知しているが、同性婚の制度化は国民生活や家族観に関わることでもあることから国民各層や国会内での議論などについても注視していく必要がある」など答えた。
石破総理は外国人の子どもの在留資格について「在留特別許可は改正前入管法下で迅速な送還ができなかった子どもの内本邦で出生して小・中・高で教育を受けている子どもの中で引き続き日本での生活を望む場合に1回限りの特別措置として行ったもので、今後繰り返し行うことはない」など答えた。
石破総理は核廃絶について「世界に被爆の実相を伝えるために若い世代が国際的な活動を行っていることは大変重要なことだと認識していて、政府としては雄一の戦争被爆国として正確な被爆の実相を世代や国境を超えて促進していきたい」、「被爆者については他の戦争被害とは異なる特殊なものであることから原爆被爆者援護法に基づいて国の責任で被爆者の方の保険・医療・福祉など総合的な援護対策を講じている」など答えた。
石破総理は国会でのジェンダー平等とクウォーター制導入について「政治分野における男女平等参画の推進は政治により一層民意を反映させる観点から重要なものだと考えていて、まずは女性が政治参加する上で障壁となっている課題の調査を行っていきたい」、「クウォーター制導入については憲法上の基本原則の課題指摘などから各党・各会派におけるさらなる議論を賜りたい」など答えた。
自由民主党・武見敬三による質問。人口動態の変化をめぐっては、日本の総人口は、2020年の約1億2615万人から2065年には9159万人まで減少する。昨年の出生数は68万人台。ピークだった1949年に比べ、4分の1に減っている。東京など都市部では高齢者人口が増え続け、地方では減少し続ける。2030年前後から深刻化する人口減少に伴う様々な事態を解決する未来志向のビジョンとそれを実現する体制をつくりあげることが必要だ。まず、グローバルな視点から他国と比較優位性がある分野、特に、保健・医療・介護のように国内需要のみを対象としてきた分野では、医学医療の進歩を吸収し、持続可能性を高めるため、国内で制度改革を実践する際には、新たに産業政策を導入して、国内外に新たな市場を開拓していく必要がある。アジア・インド太平洋地域に、日本のソフトパワーのひとつとして、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジにより高齢化社会における課題の解決策を提示していくことは有望な産業政策となる。アジア・インド太平洋地域における医療水準の向上や、健康格差の是正に貢献するとともに、インバウンド・アウトバウンドなどにおいて、産業政策を推進していくうえで、重要な人材となることが期待される外国医療人材の育成事業として、日本の医学部への海外留学生のための奨学金制度の導入など、医学部定員数削減と合わせて海外留学生の受け入れ体制を整備していくことについて、総理の見解を問うた。日本は、世界銀行とWHOと協力して、人材育成の世界的な拠点となるUHCナレッジハブの日本設置を進めている。保健・医療・介護分野を産業政策の対象として、UHCをどのように日本の成長戦略に位置づけていくのか、総理の見解を問うた。欧米で承認されているが、日本で承認されていない未承認薬が140品目ほどある。このうち6割程度は、日本での開発に着手されていない。医療滞在ビザの発給件数は2022年1804件、2023年2295件と増加傾向にある。医療のインバウンドは、推計で2~3万人ほど。医療インバウンドの拡大は、日本の有力な成長戦略分野。医療インバウンドの拡大、国民皆保険制度を維持し、補填し、医学医療の進歩の果実を国内に導入する入口とするためにも、自由診療のあり方を検討すべきだとして、総理の認識を質した。医療滞在ビザ以外で訪日している医療インバウンドの実態把握のために、医療機関への詳細な調査などを行い、国民皆保険制度を損なうことがないよう、現在の病床規制の別枠として、医療インバウンドの入院治療のための自由診療における病床のあり方について検討すべきだとして、厚生労働大臣の所見を質した。
自由民主党・武見敬三による質問。日本の創薬分野でのイノベーションを加速させる必要がある。グローバルな創薬エコシステムと結びついた創薬研究開発基盤の再構築について、総理の見解を質した。ポストコロナにおける政策では、健康情報を一元管理するデジタルシステムがなく、感染者数などの情報収集が滞り、感染者情報をリアルタイムで把握できなかった。昨年8月、厚生労働省は、電子カルテ情報共有サービスの構築や普及など医療現場の生産性向上と健康活躍社会の構築を得るための医療DXの推進方針をまとめた。医療DXのさらなる推進による患者自身の治療、公的医療保険財政への貢献、医療DX活用の前提となるマイナ保険証の一層の利用促進をどのように進めるのか。医療DX推進のために新たに改組される組織のガバナンス強化の方針をどのように考えているのか。都市部と地方で、高齢者人口の増減が異なることから、2040年を目標とした地域医療構想などの策定の仕方も今後変わってくる。都市と地方で、保健・医療・介護の需要と供給のバランスの違いを全体として捉え、医療資源の開発と配分を考える必要がある。当面の課題と近未来の課題を一体的に考え、地方創生とも連動した近未来の保健・医療・介護のグランドデザインをいかに設定したらよいのか、物価高騰や経済成長などによる税収の増加部分から、新しい医療財源を確保する仕組みを作ることが重要だとして、総理の所見を質した。
自由民主党・武見敬三による質問。増大する軍事的リスクに対応して、日本は、平和主義に基づき、近隣諸国と協調し共存する外交的努力に努めつつも、安全保障三文書に基づく戦略的能力強化は必須。何が戦略的意思で、何が戦略的能力なのかを明確に意識して、国家戦略を構築していくことが重要となる。日本の戦略的意思とは、平和主義であり、戦略的能力とは、防衛力と日米同盟を基軸とした戦略的連携に裏打ちされた抑止力である。積極的平和主義が重要であり、日本は、保健医療介護の分野において、国際社会において顕著な比較優位性があることを踏まえ、保健医療の支援を積極的に実施していくことも考えられる。自らの身を自ら守るという覚悟が抑止力の完結につながる。持続的な自衛隊の隊員募集や人材育成のために、何をしたらよいのか。
自由民主党・武見敬三による質問。日本国憲法第9条は、戦略的意思としての平和主義を第一項に、戦略的能力については第二項に示している。平和主義に基づく現実主義は徹底的に貫かれるべき。自衛隊が違憲論にさらされることに終止符を打つべき。憲法改正について、議論を前に進めるべきだ。日米の首脳同士の信頼関係が抑止力の維持・強化のために重要。日米両国が自由で開かれたインド太平洋、クアッドを戦略的に共有していることを早急に首脳会談にて確認し、日米同盟に基づくさらなる抑止力の強化を図ることが最重要だ。アメリカのトランプ大統領は、パリ協定から離脱する大統領令に署名するなど、国際社会共通の課題の解決から距離を置こうとしている。日本は、医療介護分野などでの貢献により、アメリカの撤退で生み出されるマルチ外交における真空地帯を埋め合わせ、平和主義に基づくマルチ外交における日本の影響力の基盤を強化することができる。マルチ外交を積極的に展開することで、日本は平和主義に確信と自信を深めることにつながる。日中関係では、いたずらに対立構図を作り上げるのではなく、力による現状変更は中国にとって得策ではないというメッセージを中国に対して常に継続して発信し続けるべきだ。高齢化などの共通課題解決に向けては、国境を越えて積極的に連携していくことが求められる。首脳同士の信頼関係構築が重要となる。中国との間に共通利害を見出し、ともに解決していく前向きな外交関係の構築に向けた重層的な外交の重要性を問い、日中首脳会談の早期解決への決意について総理に質問した。
自由民主党・武見敬三による質問。令和5年の自殺者数は、前年からやや減少したが、小中高生の自殺者数は増加しつつ、過去最多だった前年と同水準で推移している。いじめ件数も過去最多となっている。関連する府省庁が連携して、多方面から対策を講じる体制づくりが重要だ。子どもの自殺防止に向けた取組について、総理の所見を質した。SNSの政治に及ぼすインパクトが大きくなるなか、人権を侵害したり、民主主義を歪めたりすることがないよう法律的にも厳しく規制していく必要性を議論するべきだ。
石破総理の答弁。外国医療人材の育成について、日本の大学医学部への外国人留学生受け入れは、今後、外国医療人材育成のためのモデル構築に向けた実証事業を行う。2026年度の医学部定員の上限については、2024年度の医学部定員を超えない範囲で設定することとされているが、外国人留学生も含めた日本の医療人材の育成については、実証事業の結果も踏まえて関係省庁で検討していく。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジについて、国際社会において、UHCを主導してきた日本の強みを活かしつつ、対応している。自由診療のあり方について、医療インバウンドの実態把握や課題の分析などを行いながら進めていく。国民皆保険を堅持しつつ、保険診療と保険外診療を併用する制度の見直しについて、民間保険の活用も含め検討を進めていく。創薬基盤の再構築について、創薬エコシステムを官民あげて構築し、グローバル化していく必要がある。来年度、外資系の製薬企業なども参加する官民協議会を設置する。創薬エコシステムを育成するための方針などについて、議論していく。保健医療介護の財源確保などについて、2040年頃を見据え、医療と介護の複合ニーズを抱える85歳以上の高齢者が増加することや人口減少に対応し、地域の事情に応じた持続可能な医療提供体制を構築していく必要がある。医療DXを推進しつつ、新しい地域医療構想を策定し、医療機関の役割分担や連携をさらに推進するための法案を提出する。医療を含めた社会保障予算については、令和7年度予算案において、これまでの歳出改革努力を継続することとする。経済・物価動向に配慮しながら、社会保障関係費の実質的な伸びを高齢化による増加分におさめるという方針に沿った姿を実現したい。
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石破総理の答弁。平和主義と日本の外交について、ガザに対するメディカルエバキュエーションを早期に実現すべく、関係国との調整を進めている。政府としては、平和主義や人間の安全保障に基づく取組を国内および国際社会全体で強力に推進していく。自衛官の名誉の確保と人材育成について、すべての自衛官が国防という国家にとって枢要な任務に、名誉や高い使命感をもって専念できる体制を整えることは国家の義務。質の高い人材を確保しつつ、隊員が高い使命感と倫理観をもって任務にあたるための施策とともに、自衛官に対する叙勲のあり方など自衛官としての誇りや名誉などを得るなかで、重要な施策についても実施することにしている。関係閣僚会議の議論を踏まえ、各施策を着実に実現していく。憲法改正と自衛隊について、自衛隊に違憲論があるのは残念こと。自民党では、いわゆる自衛隊違憲論を解消するため、憲法における自衛隊明記について議論を行ってきた。議論を後戻りさせることなく前に進めていく。日米首脳会談および同盟の抑止力強化について、トランプ大統領との間で、安全保障などの諸課題について認識の共有を図り、一層の協力を確認し、日米同盟をさらなる高みに引き上げていきたい。地域における安全保障の重層的なネットワークを構築し、自由で開かれたインド太平洋実現するうえでは、日米のリーダーシップが不可欠。このことも確認したい。日米同盟の抑止力などを一層強化するための取組についても、新政権との間で議論を深め、着実に実施していく。平和主義に基づくマルチ外交について、これまでもマルチ外交を通じて、様々な分野で国際協力を推進してきた。引き続きマルチ外交を通じて、国際社会の諸課題への対応につき主導力を発揮していきたい。日中関係について、両国は地域と国際社会の平和と繁栄にとって、重大な責務を有している。中国との間においては、戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係の構築を双方の努力によって進めていく。次の日中首脳会談の時期については、現時点では何も決まっていないが、中国とは大きな方向性のもとで、あらゆるレベルで幅広い分野において意思疎通を一層強化し、課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていくためにともに取り組んでいく。
石破総理の答弁。子どもの自殺防止について、SNSを活用した相談事業の拡充、学校における1人1台端末などによる自殺リスクを把握するシステムの活用の推進、子どもの自殺に対応していくチームの構築などの取組を関係省庁が連携して進めている。SNS上の偽情報などに対する取組について、SNS情報の偽情報などは短時間で広範に流通・拡散し、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼしうる。多様な関係者と連携・協力しながら、ネット上の情報には偽情報なども含まれうることなどの認識を幅広い世代に広め、プラットフォーム事業者に対し、情報の削除を求められた場合迅速に対応すること、こうした取組の情報の透明化を進めることなどを求める法改正に取り組むなどの対策を講じてきた。表現の自由に配慮しながら、ガイドラインを早期に策定するなど制度的対応も含めた総合的な対策を進めていく。
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福岡資麿厚生労働大臣の答弁。医療インバウンドの実態把握や自由診療における病床のあり方について、令和6年度補正予算において国内外における医療インバウンドの取組などを調査・分析する事業を盛り込んでいて、こうした事業などを活用し実態把握に努めていく。訪日外国人の医療ニーズや病床の活用状況などを踏まえ、病床を含む医療インバウンドの受け入れ体制の取り扱いの整理などを行っていく。医療DXの推進について、全国医療情報プラットフォームの構築を進め、患者の医療情報などを踏まえた良質で適切な医療の提供、医療保険財政の効率化を図っていく。医療DXの基盤となるマイナ保険証についても、丁寧に周知を行い、スマートフォンへの搭載などの利用促進を図っていく。医療DX運営について、国が総合的な方針を示し、ガバナンスの強化を図る。