2025年10月3日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2025 キーウの独立広場を守る女性

出演者
辻浩平 藤重博貴 酒井美帆 吉岡秀人 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像が流れた。

ニュースラインナップ

「グドール博士死去、チンパンジー研究に情熱」などのラインナップを伝えた。

(ニュース)
病院 住宅など被害 被災者支援急務

フィリピン・セブ島から中継で現地の状況を伝える。セブ島沖合でマグニチュード6.9の地震が発生。病院の建物が被災したため屋外でベッドが置かれ横たわって治療を受けている患者の姿もみられる。また簡易的な分娩室も設けられ、地震の後12人の赤ちゃんが生まれたという。赤ちゃんと母親は屋外での避難生活を余儀なくされている。気温は30℃近い。市内では倒壊した建物も多く断水が続いている地域もある。日本人に関する情報について。リゾートエリアは中部や南部に集中している。地震の被害が大きかった北部の日本人の滞在は少ないとみられる。日本の総領事館によるとこれまでに日本人の被害は確認されていない。

最大都市ガザ市で攻勢強める

イスラエル軍、1日の発表ではガザ市の南側にある戦略的な要衝を押さえるため地上作戦を開始したと明らかにした。イスラエルのカッツ国防相はSNSでのガザ市の包囲を強める。市民にとって南部に移動する最後のチャンスだ。ガザ市にとどまる者はテロリストとみなすなどと投稿。人質全員が解放されハマスの武装解除まで攻撃を続ける姿勢を強調。ガザ市からはすでに多数の住人が退避したが、イスラエル軍のラジオ局が先週伝えたことによると、推定で約25万人が市内にとどまっているという。ハマスはカッツ国防相の投稿について、声明でイスラエル軍によるさらなる戦争犯罪につながるものだなどと激しく反発。

ドイツの連邦検察庁はハマスの外国人工作員として銃器や弾薬調達に関与した疑いでドイツ国籍やレバノン出身の男3人を拘束したと発表。AK47自動小銃などの武器のほか相当量の弾薬を押収したとしている。検察はこれらの武器について、ドイツ国内のユダヤ人の施設などを狙った攻撃に使われる計画があったとしている。これに対しハマスは声明で、ドイツで拘束された人物とはいかなる関係もないことを強調するとして関与を否定している。

スタジオトーク

ガザを巡る状況についてスタジオトーク。あすはイスラエル、パレスチナ双方のジャーナリストをスタジオに招いて考える。皆さんの声も募集中。

ロシアへの無人機攻撃 影響は

ロシアのメディアは、ウクライナが無人機を使い製油所を攻撃。ロシア各地で燃料不足が起きていると報じている。これに関連してノバク副首相は南部・ソチで開かれている国際情勢などを議論するヴァルダイ会議に出席し、状況は完全にコントロールされている。エネルギー省がすべての地域と連携し積極的に対応にあたっていると述べた。製油所の近代化に取り組み、供給量を増やすことで国内需要をまかなう考えを示した。ウォール・ストリート・ジャーナルは複数のアメリカの当局者の話として、ウクライナがロシア国内のエネルギー施設を攻撃できるようトランプ大統領が軍事情報提供を承認したと伝えた。軍事情報によってウクライナ軍は国境から離れた製油所、パイプラインへの攻撃が一段と可能になるとしている。またアメリカはウクライナに対し巡航ミサイル「トマホーク」の供与も検討している。和平協議に応じないロシアへの圧力をさらに強める狙いがあるとみられる。

ウクライナで日常化する「死」

ゼレンスキー大統領によると、ウクライナ軍の死者は4万6000人に上ることを今年2月に明らかにした。国連発表によると、市民の死者は少なくとも1万4116人。軍事侵攻で亡くなった肉親や友人を追悼するための特別な場所があるという。キーウの独立広場地下から中継で伝える。独立広場には旗が無数に立てられている。旗には亡くなった人の名前が書かれている。ナタリア・クリムユークさんは甥を亡くす。女性は訪れた人の案内役も担っている。最前線で死亡しまだ遺体の収容さえできていない兵士を悼む場所もある。

WOW!The World
牛たち 夏の牧草地から戻れず

フランスのアルプスでは夏の間、山の牧草地で過ごした牛たちをふもとへ戻す季節のはずだが、麓で牛の皮膚病が流行。国の要請で山にとどまっているという。農業組合によると、4000頭がこの状態。牛の緊急避難場所の確保に向けた呼びかけも始まったが限界がある。最後の牛が処分されてから45日が経つ今月21日になれば下山できる。

温暖化でイギリス初の稲作成功

イギリス東部の湿地帯にある小さなかわいい田んぼで稲作が初めて成功。イギリスは稲作には寒すぎると言われていたが今年の夏は暑かったためよく育っているという。気候変動に対応しようと様々な作物を栽培して農業の多角化を目指す。イギリスの食卓に国産米が登場する日も近いかもしれない。

世界一長い“バナナカー”

アメリカ・ミシガン州で男性が運転するのはバナナの形をした特注の車。長さは7メートル。世界最長のバナナカーとしてギネス世界記録に認定された。男性によると、最高時速は130km/hだという。

(ニュース)
政府機関の一部閉鎖で影響広がる

早ければ2日にも人員削減にとりかかるとするトランプ政権。バンス副大統領は最終決定は下していないが閉鎖が長引けば異例措置をとらざるを得ないかもしれないと述べる。予算案に医療保険の補助延長を盛り込むよう要求するなど強気の姿勢を崩さない民主党。トランプ政権は民主党が国を人質にしていると反論。トランプ政権は民主党への圧力を強め妥協を迫っている。ABCテレビは民主党が勝利した16州のエネルギープロジェクト予算約80億ドルも打ち切る構えだと報じる。

辻’s ANGLE
“ヒトとは何か”科学に革命

チンパンジーの研究で知られた霊長類学者のジェーン・グドールサンが死去。1960年、アフリカのタンザニアで野生のチンパンジーの研究を始める。チンパンジーが道具を使うことを発見。この発見は世界を驚かせた。ヒトと他との動物の境界線は道具を作り、使いこなすかどうかにあると考えられていた。グドールさんの発見は「ヒトとは何か」という根源的な問いを突きつけることにもなった。他にもチンパンジーはヒトと同じ喜びや悲しみ、共感があることも解明。

グドールさんはチンパンジーの生息地が消えていくことへの懸念から、その後は自然環境の保護や教育活動にも取り組む。世界各地での講演活動に人生を捧げた。年間300日を講演に費やしていたともいわれている。こうした活動は91歳で亡くなるまで続く。また女性の研究者としてもその道を切り開いた第一人者でもある。先月22日、グドールさんは、希望が重要なのはそれがなければ無気力になって何もしなくなってしまう。特に若者あ多くの場所で希望を失う。それがさまざまな国で起きれば私たちに未来はない。希望とは腕を組んで座って何かが起きるのを待つことではない。行動することと述べる。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
ミャンマー大地震から半年 被災地は今

ミャンマー中部を襲ったマグニチュード7.7の大地震。実権を握る軍はこれまでに3800人以上が死亡、5100人以上がけがをしたとしている。それから半年、現地の状況は。震源地はマンダレー付近。住宅が倒壊するなど甚大な被害が出ている。しかし4年半前のクーデター以降続く軍と民主派勢力側との激しい戦闘の影響で復旧復興が遅れているのが現状。被災地の今は?地震から3日後の様子。多くの市民が路上生活を余儀なくされる。半年後の様子。簡易な小屋やテントが並び自宅に帰れない人々が暮らしている。がれきの撤去作業が行われている現場では地震から5か月たった現場でも遺体が発見されるケースがあるという。深刻なのは飲み水などの生活インフラが復旧していないこと。ICRCによると、今後は緊急支援だけでなく長期的に安定した供給体制の構築がより重要だとしている。長引く戦闘の影響が背景にあると専門家は指摘。京都大学・中西教授は何よりも労働力が足りないと述べる。軍は民主派勢力側の影響力をそぐため医薬品や燃料などの物流をより厳しく制限しているという。

ザガイン管区も甚大な被害が出た。ここは支援が届きにくい地域でもある。マンダレーとザガイン管区を結ぶ橋の一本は地震で崩落。残り1本が物流を支えている。NGOは復旧工事をして手術を再開。女性もすぐに手術を受けられるようになった。NGOは被害が大きかった地域で巡回診療を実施。戦闘が起きると訪問中止を余儀なくされる。訪問した避難キャンプには30人ほどが身を寄せる。そのうちの20人が高齢者。身寄りのない高齢者が取り残されているという。国際医療NGO「ジャパンハート」創設者・小児外科医・吉岡医師は、元どおりになるのはだいぶ先っぽい。もとの活気が戻るのがいつになるかわからないと述べた。

ミャンマー大地震から半年

国際医療NGO「ジャパンハート」創設者・小児外科医・吉岡医師に話を聞く。吉岡氏は震源地近くの病院で手術中に被災。その後も継続的に医療活動を続けている。ザガイン病院周辺の状況は?病院の前で戦闘が起きるような状態。医療従事者の安全確保について、クーデターの際はミャンマー中の医者がボイコットした。医者の数が3分の1になってしまった。緊急疾患しか診てあげることしかできない。支援は届いているか?届きにくい。医療活動の難しさは?医療全体が国で不足している。医療の流通もかなり悪くなってきている。ミャンマーの中心部で戦闘が起きている。非常に厳しい状況と述べる。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
“環境活動家グレタさんの船を阻止”

環境活動家のグレタさんらが支援物資を届けるとしパレスチナのガザ地区に向かっていた船について、イスラエル外務省はSNSで船を阻止したと発表。乗船者をイスラエルの港に移送中。グレタさんたちは無事で健康だと説明している。船を運航する団体は阻止は違法だとして反発。事前に収録した映像も公開された。船団にはフランスやイタリアなどさまざまな国籍の人が乗船。フランス外務省は乗船者の早期解散と帰国に向けイスラエル当局と連絡を取り合っていると発表。イタリア・タヤーニ外相はイスラエル海軍は船団を軍の船に移動させ南部のアシュドッド港へ連れて行くと述べた。

学校崩壊“救助難航”発生から72時間

インドネシアの東ジャワ州でイスラム教の寄宿学校の建物が崩壊した事故。これまでに5人が死亡。生徒の出席記録や家族からの報告をもとに今も59人が閉じ込められているおそれがあるとしている。救助活動が難航するなか生存率が急激に下がるとされる72時間が経過。救難当局は家族の同意を得たうえで重機を使った捜索を開始。この建物は上層階の増築に向けた工事が行われていた。当局は基礎の強度が不十分で建物が重さに耐えられなかった可能性があるとして事故の原因を調べている。

(エンディング)
視聴者の意見

アメリカ軍内部で多様性推進取り組みを見直す動きについて視聴者の意見を紹介。米軍人が大統領ではなく合衆国憲法に忠誠を誓う勇気と覚悟を持ってほしい。トランプ政権は実に派手で飽きさせないのがすごいというか恐ろしいなどの声。

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