- 出演者
- 辻浩平 藤重博貴 酒井美帆
オープニング映像が流れ、出演者が挨拶。
「ガザ地区和平計画、第1段階合意」などのラインナップを伝えた。
ホワイトハウスで開かれた会合に出席していたアメリカのトランプ大統領に、ルビオ国務長官から手書きのメモが渡された。メモを読んだトランプ大統領は、耳打ちされ頷いた。メモには「あなたが最初に合意を発表できる」と書かれているように見える。その後トランプ大統領はSNSで合意を発表し、「イスラエルとハマスが和平計画の第1段階に合意したと公表できることを誇りに思う」と投稿した。和平計画では第1段階として停戦とガザ地区で拘束中の48人の人質全員の解放、イスラエル軍の部分的な撤退などが盛り込まれている。ハマスは声明で「ガザ地区での戦闘の終結、イスラエル軍の撤退、人道支援物資の搬入、人質と収監されているパレスチナ人の交換について合意に達した」と発表。一方「トランプ大統領と合意を保証する国、アラブ・イスラム諸国や国際社会関係者に対し、イスラエル政府が合意事項を完全に履行して実施の引き延ばしを許さないよう求める」としている。イスラエルのネタニヤフ首相は「人質全員が帰国する。外交上の成功で、イスラエルにとって国家的・道義的勝利だ」と成果をアピールした。中東の衛星テレビ局「アルジャジーラ」は、ガザ地区でイスラエル軍戦車による複数回の砲撃を受け人々が逃げ惑う様子を伝えた。停戦などの合意が発表されたあとも、攻撃は続いているという。
トランプ大統領がガザ地区での停戦や人質の解放を含む20項目の和平計画を発表したのは、先月の29日だった。今月6日にはイスラエルとハマスの間接的な協議が、仲介国のエジプトで始まった。協議が開始されたあと、複数のアラブメディアは「ハマス側は人質解放後にイスラエル軍が攻撃を再開しないことやガザ地区から軍を撤退させる保証などを求めたのに対し、イスラエル側は戦闘を終結させる保証や人質が解放される前に戦闘の終結を議論することを拒否していて、協議に目立った進展はみられない」と伝えていた。こうした中で交渉3日目にアメリカのウィトコフ中東担当特使とトランプ大統領の娘婿のクシュナー氏がエジプトに到着したほか、カタールのムハンマド首相やトルコのエルドアン大統領の側近らも協議に参加し、双方に妥協をさせて一気に合意にこぎつけた。
フランスのマクロン大統領はSNSに「人質とその家族、ガザ地区のパレスチナ人、そして地域全体にとって大きな希望だ」と投稿し、「この合意は戦争の終結と『2国家解決』に基づく政治的な解決への第一歩とならなければならない」として「パリで9日午後に欧州とアラブ諸国の外相らによる協議を開く」と明らかにした。イギリスのスターマー首相は「世界中、特に人質となった人たちとその家族、ガザ地区の人たちに深い安どをもたらす瞬間だ」などとコメント。国連のグテーレス事務総長は「ガザ地区における停戦と人質解放を確実にする合意が発表されたことを歓迎する」と声明を発表し、国連機関を通じてガザ地区での人道支援と復興支援に全力をあげる考えを示した。
イスラエルとハマスが合意した和平計画は、トランプ大統領が示した20項目の計画のどの部分に合意したのか。20項目の和平計画は第1段階で停戦と人質解放、第2段階ではガザの復興と統治、イスラエル軍の完全撤退と二つの段階に分けて考えることができる。トランプ大統領はこのうちの第1段階について合意に達したと発表した。エルサレム支局長の品川健太郎が、エルサレムから中継でレポート。合意が着実に実行されるのかは、予断を許さない。過去には互いが合意違反を主張して、戦闘が再開されたこともある。人質の解放はもとより、2年続いてきた戦闘の停止につながる合意への期待はイスラエル全体で高まっており、実現が急がれる。ハマスが人質解放に応じたのには、トランプ大統領が自ら示した肝いりの計画だということが強く影響している。仲介国のエジプトやカタールを含め多くのアラブ諸国が支持したことで、ハマスには「No」とは言えない環境が作り上げられていた。イスラエル軍の攻撃によりハマス自体が弱体化する中、この計画を拒めば仲介国の支援さえも失うリスクが高まっていたといえる。しかし自らの武装解除やガザ地区の戦後統治への関与など難しい問題は後回しにしたとも言える。
20項目の和平段階の第2段階には、さらに難しい項目が含まれている。合意が履行されるには、仲介役を果たしたアメリカやアラブ諸国からの圧力が続くことが欠かせない。トランプ大統領は近く自ら中東を訪問する可能性に言及している。ワシントン市局長の西河篤俊が、ワシントンから中継でレポート。トランプ大統領は戦闘の停止や人質解放など、目に見える成果を出すことを最優先に位置づけているとみられる。合意の発表後、トランプ大統領はFOXニュースに対しネタニヤフ首相との電話会談の内容を明らかにし「『イスラエルは世界と戦えない』とネタニヤフ首相に伝え、彼もよく理解している」と話していた。ただ仮に第1段階の合意が履行できたとしても、第2段階のハマスの武装解除などの先行きは不透明。アメリカ政府の元高官に話を聞くと、「ネタニヤフ首相やハマスとの交渉では、詳細の協議を始めると合意が崩れる余地が大いにある」と話していた。トランプ大統領の思惑通りに進むかどうかは関係国が一致した対応を取れるか、そして双方に粘り強く圧力をかけ続けられるかが鍵を握る。
番組では視聴者の声を募集している。
ミャンマー軍との戦闘を続ける民主派勢力NUG(国民統一政府)などによると北西部のザガイン管区で軍の空爆があり、子どもを含む24人が死亡し40人以上がけがをしたという。当時現場には100人以上が集まり、ろうそくを灯す伝統行事のほか軍に対する抗議活動が行われていて、軍はエンジン付きのパラグライダーを使って爆弾を2回にわたって投下したという。ザガイン管区は、4年前のクーデター以降続く軍と民主派側との戦闘が最も激しい地域のひとつとされている。軍は民政移管に向けた総選挙を今年12月に実施すると表明していて、それを前に支配地域を拡大しようと各地で攻撃を強めているとみられている。国連のグテーレス事務総長は「事実であれば市民をも巻き込む無差別の抗議であり、憂慮される事態だ」などと訴えた。
日本とオーストラリアの間で連携が進む防衛産業の最前線について。8月にオーストラリア政府が新たなフリゲート艦の導入計画で日本の防衛艦「もがみ」型をベースに共同開発を行う提案を選定したことから一気に期待が高まっている。計画は総額1兆円にも上る大型事業で最大11隻のうち最初の3隻を日本、残りの8隻をオーストラリアで建造するという。背景にあるのが海洋進出を進める中国への警戒感。中国への危機感を共有する日本とは去年だけでも40回近く共同訓練を行うなど安全保障面での連携を強めている。日本とのフリゲート艦の共同開発が追い風となる中、オーストラリアでは今製造業の活性化を図ろうとしている。これまで資源が稼ぎ頭で製造業の弱さが課題だったオーストラリア、“防衛産業をてこに造船業を主要産業の1つに育てていきたい”としている。
オーストラリア政府が新たなフリゲート艦の導入計画で日本の防衛艦「もがみ」型をベースに共同開発を行う提案を選定した。オーストラリア国内では概ね肯定的な反応で「成長産業」として捉えられている。現在アメリカからの輸入に頼っているが自国での生産能力を高めることが必要との声が多くある。一方日本の経済界からは慎重な声もある。日本は長年武器輸出三原則に基づき武器を含む装備品の輸出を実質的に全面禁止してきたが、2014年に「防衛装備移転三原則」を決定、その後もルールが緩和された。専門家はいくつかの国で同じ装備品を使うことはコストを下げ防衛産業の維持につながるとしているが、一方で安全保障のジレンマという終わりの内軍拡競争、負のスパイラルに入ってしまうと指摘している。
シンガポールの歩道に描かれたこちらのアート、使っているのは「高圧洗浄機」。住民にも好評で子どもたちの遊び場にもなっている。さらに多くの歩行者を楽しませたいと、他の地域にも広げていくという。
今年初めてのスーパームーンが世界各地で見られた。地球までの距離が普段より近いために大きく明るく見える満月で、中南米や台湾、パキスタンでも人々が夜空を見上げた。
アメリカ東部に住む一家。2歳のフランキー君と4歳の飼い犬は一緒に育ってきた。フランキー君が初めて幼稚園に通う日が来た。送り届けたパパとママだけが戻ってくると、「あれ、フランキーは?」とずっと寂しそうに玄関で待っていた。ようやく帰宅したフランキー君をみて大喜びとなった。
アメリカで政府機関が一部閉鎖が続く中各地の空港では給与未払いとなっている航空管制官の欠勤で、航空便の遅れなどが発生。生活への影響に懸念が広がっている。アメリカのFAA(連邦航空局)などによると首都ワシントンやシカゴなど各地の空港で必要な航空管制官を確保できず航空便に遅れが発生。またテネシー州ナッシュビルなどでは一時発着便を減らす措置をとった。
写真家のディナ・クラーブさんはパレスチナのガザ地区でスタジオを営み、10年以上にわたり新郎新婦の写真や動画を撮り続けてきた。人生で最も幸せな瞬間を映すことに喜びを感じ、戦時下で結ばれる300組以上の夫婦を撮影。しかしその写真館も爆撃で全壊、今戦禍を生きる人々の日々を見つめるドキュメンタリーを撮影している。
ザムザムさん(16)は度重なる爆撃で親ときょうだい3人を亡くし親戚と避難生活を続けている。ディナさんは戦時下を生きる子どもの姿を知ってほしいとザムザムさんの日常を撮影し続けている。はじめは言葉少なかったザムザムさんだが、次第にディナさんに胸の内を語るようになっていった。しかし先月イスラエル軍はガザへの地上作戦を開始、2人はそれぞれ避難を強いられ撮影も困難になりカメラを握ることも命がけになっていた。ディナさんはガザ市を離れることを決めた。
今回の停戦合意を受けて先ほどガザのディナさんからボイスメッセージが届いた。「何度も避難を繰り返し希望を失いかけていました。ついに本当の停戦です。こころの底から嬉しくてみんなが喜びの声をあげました。停戦、つまりこれ以上けが人や犠牲者がでなくなるということです。ガザが世界で一番美しい場所になるようにこれから私たちがしていきます」などと語った。
今年のノーベル文学賞にハンガリーの作家、クラスナホルカイ・ラースロー氏が選ばれた。1954年ハンガリー生まれで独特の文体と表現力が国際的に評価された。1985年に出版された初の小説「サタンタンゴ」はのちに映画化された。ノーベル文学賞にハンガリーの作家が選ばれるのは2002年のケルテース・イムレ氏に続いて2人目となる。
ウクライナへの軍事侵攻についてプーチン大統領が成果をアピールする中、ゼレンスキー大統領はロシア軍が8月以降東部ドネツク州で7200人以上の死者を出していると明らかにした。ロシア外務省のリャプコフ次官は8日“米ロ首脳会談後に高まったウクライナをめぐる和平や停戦への機運は失われた”との認識を示した。