- 出演者
- 辻浩平 藤重博貴 酒井美帆 アルマンスール・アフマド
オープニング映像。
「北朝鮮キム総書記 核・ミサイル開発正当化」「シリア・10年ぶりの帰郷」「イスラエル軍 ガザ停戦発効」「カメルーン大統領選挙 深まる住民の分断」といったニュースを伝える。
朝鮮労働党の創立から80年を迎えた北朝鮮。昨日、北朝鮮の首都ピョンヤンで行われた大規模なマスゲーム。最精鋭革命強軍と紹介された軍服姿の人々が火の輪をくぐったり鎖をちぎったりするパフォーマンスに子どもたちの踊りに合わせて「この世に羨むものはない」の文字が浮かび上がった。朝鮮中央テレビはこの式典でキムジョンウン総書記は演説の中で核ミサイル開発を正当化し、この国を必ずさらに豊かで美しくすると国民生活を向上させると強調した。朝鮮中央テレビは、さらにキム総書記とともに中国の李強首相やロシアのメドベージェフ前大統領などが出席する様子も放送した。中国外務省によると中国の李強首相はさらに、キム総書記と会談。習近平国家主席もキム総書記に祝電を送り国際情勢がどのように変化しても両国の関係を発展させることは中国の党と政府の不変の方針だなどとして北朝鮮との関係を重視する姿勢を示した。韓国軍の関係者は今日北朝鮮が今夜軍事パレードを行う可能性が高いとしたうえでミサイルなどを動員した予行演習が行われていると明らかにした。北朝鮮の正規軍による軍事パレードが行われれば朝鮮戦争の休戦70年のおととし7月以来で専門家からは新型のICBMのミサイルなどの兵器が公開されるのではないかという見方も出ている。
イスラエル軍はハマスと合意したラインまで軍を撤退させたとして日本時間の今日午後6時に停戦が発効したと発表した。これによってイスラエル軍が支配する範囲は8月時点の75%から53%に縮小するということだ。一方、ハマスも9日ガザ地区での戦闘が完全に終結したという認識を示している。各国のメディアが一斉に伝えた合意を喜ぶ人々の姿。しかしイギリスのBBCは今のイスラエルを「分断」という言葉で表現した。さらに計画を示したアメリカのトランプ大統領は、協議が行われたエジプトをみずから訪れ正式な署名を行う考えを明らかにした。12日に出発するつもりだとしている。和平計画の道のりはトランプ大統領の予想をはるかに超える困難なものだったBBCは伝えている。譲歩を拒み続けてきたネタニヤフ首相が態度を変えたのはイスラエルがカタールを攻撃したあとだとしている。カタールのムハンマド首相に電話で直接謝罪したネタニヤフ首相の写真を紹介して伝えた。BBCは「ネタニヤフ首相は戦術を変更。9日に生成AIで作った写真を投稿し”おべっか作戦”でトランプ氏こそノーベル平和賞にふさわしい」と投稿した。
月曜日に「ガザ戦闘から2年」の特別番組を伝えた。放送後に寄せられた視聴者からの投稿で「物資不足なのか現地の人の様子がやつれていて心配」という声があった。ガザの物資の不足は深刻で、南部の基幹病院であるナセル病院のサケル看護部長は「1足の靴を5人でシェアしている」などという表現で説明している。健康な大人ですら体力が落ち、ましてや病気の方にとっては栄養が足りず食料が足りず体調を崩していくという状況だ。サケル看護部長は命を左右することにもつながっていると話している。食料不足や栄養失調が真っ先に直撃するのが体力の少ない乳幼児。この乳幼児への影響について。おとといイギリスの医学雑誌「ランセット」にある論文が掲載された。ガザ地区の5歳未満の子どもの栄養失調がどのように進行していったのかを細かく調査したものだ。栄養失調の子どもの数が時々急激下がる時期があった。今年の1月から3月の間ですけど停戦が行われていた。停戦が起きると食料の物資の搬入が増えると栄養失調の子どもたちが減るということだ。停戦が3月半ばで終わると、また支援物資が入らなくなって栄養失調の子どもたちが増えていくとい。事態はとてもシンプル。戦闘が再開すれば物資が入らなくなる。そして、戦闘が停止すると物資が入り、栄養失調が改善する。今、トランプ大統領が主導する計画のもと停戦に向けた動きが進んでいる。その中には支援物資の全面的な搬入再開も含まれている。2年間続いてきた苦しみを今ここで止めることができるのか、その答えがまもなく示されようとしている。
今年のノーベル平和賞に独裁政権が続く南米ベネズエラの民主化運動に取り組んできた野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏が選ばれた。マチャド氏は1967年生まれ。ベネズエラの首都カラカスで貧しい子どもたちを支援する活動などに取り組んだあと20年程前から民主化を目指す運動を始めた。去年の大統領選挙では野党側の統一候補として立候補を目指したもののマドゥーロ政権の影響下にある最高裁判所に立候補を禁止された。マチャド氏は、その後も民主化を目指す運動に取り組んでいる。ノルウェーノーベル委員会はマチャド氏についてベネズエラの人々の民主的権利を推進するために尽力し独裁から民主主義への公正かつ平和的な移行を目指して闘ってきたと称賛した。
フランスで行われたのは動力を持たない手作りの車でデザインやスピードを競うソープボックスレース。もとは、せっけんを運ぶ木箱を使って車を作ったのが名前の由来。600mの坂道のコースにカーブや段差があり高低差は40m。中にはコースから外れてしまう車もある。フランスで大人気のこのレース、年に300回近く行われている。
中国南部の深センに先月、オープンした中国最大の書店。13平方メートル以上の敷地に30万冊の本が並び、約2000円程払えば飲み物つきの読書室で静かに1日を過ごすことができる。読書だけではなく買い物や食事も楽しめ新たなスポットとして地元住民や観光客を引き付けている。
中国で川の大逆流。浙江省を流れる銭塘江では潮の満ち干きが特に大きくなるこの時期満潮時に大量の海水が河口から激しく逆流する姿を見ることができる。9日、この観賞ポイントには14万人を超える見物客が詰めかけたということだ。
10年以上にわたったシリア内戦は独裁的なアサド政権と反政府勢力が衝突し戦闘は泥沼化。50万人以上が犠牲となり1350万人もの人々が国内外での避難生活を余儀なくされた。ところが、去年12月、反政府勢力の攻勢によって親子2代で半世紀以上続いたアサド政権が崩壊し内戦は終結した。先月、国連で演説したシリアのシャラア暫定大統領は「シリアは新たな国際関係を築き、世界の中の地位を回復させる」と宣言した。
シリア出身のアルマンスール・アフマドさんがゲストとしてスタジオに登場。専門の材料工学やアラビア語を教えている。アルマンスールさんは去年12月のアサド政権崩壊のニュースについて「一時的には絶望していた時期もありやはり絶望から急に希望が現れて涙が出た。私、10年は帰らなかった。アサド政権崩壊、倒すことはできないんではないかと思った」と話していた。
シリア出身のアルマンスールアフマドさんが祖国シリアに帰還する様子を紹介する。気がかりだったのが故郷の人々との間に溝が生まれていないか。入国手続きでシリア社会の変化を実感した。アサド政権の時代は必ずパスポートの中にお金を入れて渡していたという。内戦が祖国に残した傷跡を目の当たりにした。アサド政権崩壊後、国外の約600万の難民のうち100万人が帰還したとされているが、多くの地域で生活の基盤は破壊されたまま。故郷のハマでは家族や親戚、70人が迎えた。様々な宗教や宗派が共存し“モザイク国家”と呼ばれるシリア。スンニ派は国内最大の宗派で7割以上を占めているが、アサド政権下ではアラウィ派が軍・治安機関の中枢を占めていた。アルマンスールアフマドさんの祖父が所有していたという広大な農園はアサド政権時代にアラウィ派の人々に奪われ占領されたまま。対話によって土地の権利を取り戻すことに決めた。
アルマンスールアフマドさんは10年ぶりにシリアに帰郷して感じたことについて「空気も違う、人の表情も違う」、復興へどう関わっていくのかについて「みんな帰る状況ではない。帰っても働く場所がない」、復興への課題について「やはり教育。難民が帰ってくるためには学校がないと。学校が破壊されている。第2は医療」などとコメントした。
カメルーンは2日後に大統領選挙が行われる。世界最高齢の国家元首と言われる92歳のビヤ大統領は40年以上にわたり政権を維持している。カメルーンはドイツの植民地だったが、第1次世界大戦後にフランスとイギリスによる分割統治が行われた。1960年代に独立後もフランス語圏に約8割、英語圏に約2割が暮らす構図になっている。政府や経済活動は多数派のフランス語圏を中心に進められてきたため、英語圏の住民は長年不満を抱えてきた。ビヤ大統領は今回の選挙で8期目を目指す。ビヤ大統領はフランス語圏を優遇する政策を続け支持基盤を固めてきた。ビヤ大統領の支持者からは長年の実績を評価する声が聞かれた。対立候補は偏った政権運営を強く批判している。アフリカ中部の“経済のけん引役”とも呼ばれてきたカメルーン。国民の4分の1近くが貧困層と呼ばれ、格差解消が課題。背景にはビヤ政権が築いてきた社会構造があると指摘されている。石油資源は英語圏沖合に集中していることから“フランス語圏に富が奪われている”という不満に繋がっている。英語圏出身のエミリエン・アワさんは大学で経済学を学ぶも卒業後は希望する仕事が見つからず、手作りのジュースを売って生計を立てている。アワさんは「ほとんどの企業ではフランス語圏出身の従業員のほうが多く働いている」などと述べた。不満と対立は武力衝突にも発展した。英語圏の町を取材すると市場の店はほとんど閉まっていた。分離独立グループは選挙のボイコットを呼びかけている。
カメルーンの首都ヤウンデからヨハネスブルグ支局長の宮内篤志が解説。フランス語圏と英語圏の根深い対立があり、和解への道のりは遠い。ビヤ政権も一時、対話を通じた事態の打開に前向きな姿勢を見せたことがあった。しかし政権側は英語圏の住民が求める権利の拡大には消極的。これに不満を抱く分離独立グループ側は襲撃を繰り返し、政権側は力による押さえ込みを優先させるという状況から抜け出せないでいる。ビヤ大統領をめぐっては健康不安説が絶えない。たびたびスイスを私的に訪問し長期滞在しているが、国民の間で様々な憶測を呼んでいる。去年は死亡説すら流れた。こうした懸念を払拭するためか、今回の選挙戦では3日前、珍しく大規模な集会を開いた。ただ、演説では終始原稿に目を落とし続けたほか、足取りがおぼつかない様子も目立った。若者を中心に多く聞かれたのが、40年以上続く政治の変化を求める声。しかし世界最高齢の国家元首が引き続き国を率いることになれば、さらなる閉塞感は避けられそうもない。
カメルーンの大統領選挙について視聴者の声を募集。言葉や立場などの違いで人々が対立する状況は世界各地、日本で起きているのではないか。
台湾の頼清徳総統は建国記念日と位置づける双十節の式典で演説し、台湾への軍事的圧力を強める中国をけん制した上で「平和は実力によって実現されなければならない」と述べ、効果的な防空能力を備えたシステム「台湾の盾」を構築するなど防衛力を強化する方針を示した。また、GDPに占める防衛費の割合を現在の2%余りから、2030年までに5%に引き上げる方針を改めて示した。AIの技術を活用し安価で機動性の高い装備で攻撃を食い止める「非対称戦略」による抑止力を強化する考えも示した。一方、頼清徳総統の演説について中国外務省の郭嘉昆報道官はきょうの記者会見で“台湾独立の誤った論理だ”などと強く批判。その上で“さまざまなうそをでっちあげ武力で独立を企てたり統一を拒んだりすることは台湾を戦争の危険に陥れるだけ”と頼政権をけん制。
南米ペルーの国会は10日、犯罪対策の不備などを理由にボルアルテ大統領を罷免した。国会議長が残りの任期を引き継ぐ形で新たな大統領に就任したが、今後さらなる混乱も懸念される。
アメリカのトランプ政権が進める対外援助の見直しについて、日米関係の強化に取り組む慈善団体などが報告書を公表し、中国やロシアが空白を埋める恐れがあると指摘。会見を開いた団体の代表は「日本にリーダーの役割を担ってほしい」と期待を示した。
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