2026年7月14日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2026 パキスタン“生理のタブー”と闘う

出演者
山澤里奈 辻浩平 藤重博貴 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(ニュース)
タイ バンコク 飲食店で火災

昨夜遅く起きたタイ・バンコクの飲食店の大規模火災。地元当局は少なくとも27人死亡、70人余ケガ(うち20人余が重傷)。現場を訪れたタイ・アヌティン首相は「多くの人が煙や炎から逃げようと建物の奥にあるトイレに逃げ込んだ。遺体の多くはそこで発見された」と話す。当時店ではライブが行われていて、警察は道路側に面したステージ付近で火が出た可能性が高いとみて原因の特定を進めている。また多くの人がパニックに陥りトイレに駆け込むも近くの非常口を利用できなかった可能性があるとみて、非常口の扉が施錠されていたかなど詳しく調査している。もう一箇所の非常口はドア付近に棚などが置かれて通路が狭く、十分な避難経路が確保されていなかった。警察は店側の安全対策状況を調査している。

イラン情勢 戦闘終結の協議 再開見通し立たず

イランの革命防衛隊は12日“複数の船舶がイラン側が定める航路を通らなかった”などとして警告射撃を行ったと発表。またアメリカの介入が終了するまで海峡は封鎖され通航は認められないと主張している。アメリカ・トランプ大統領は12日NBCテレビの電話インタビューで“ホルムズ海峡は解放されている”とイラン側の対応を批判(NBCテレビ)。アメリカ中央軍は“イラン側の防空システムやレーダー施設など数十箇所の標的を対象に追加攻撃”したと日本時間きょうSNSに投稿した。“商船などの攻撃するイランの能力を低下させるため”としている。イランの革命防衛隊は13日朝にかけヨルダンの空軍基地、バーレーンの無人機の管制センターなど無人機やミサイルなどで攻撃し、また米軍が駐留するクウェートの軍事施設を攻撃したと主張している。ホルムズ海峡の様子。アメリカ中央軍は11日イランの革命防衛隊がコンテナ船を攻撃したと発表していた。インド外務省はきのう声明をだし、コンテナ船にはインド国籍の乗組員が乗船、これまでに10人が救助され1人が行方不明と明らかにした。そのうえでインド外務省はこの地域で商船への攻撃が続いていることは非常に憂慮すべき事態だとして、緊張緩和、ホルムズ海峡における自由な航行回復を求めた。国連・グテーレス事務総長は12日“湾岸地域における新たな軍事衝突の再燃と深刻な事態の悪化を深く懸念する”“こうした攻撃はすべて停止されなければならない”と声明をだし、イランと米に対し早急に交渉を再開し外交を通じて問題の解決を図るよう求めた。

ベネズエラ 大地震 被害の実態把握 情報公開も課題に

ベネズエラの大地震の様子。被害が深刻なラ・グアイラ州では行方不明の家族を探す人たちの姿がみられた。専門の技術も知識もない人たちが自力で家族を探している。現場では重機の不足に加え、雨季の強い雨もあり、捜索は中断され、活動は難航している。ベネズエラ政府によると住宅を失った人は約1万8000人。多くは仮設キャンプの生活を余儀なくされている。日中の最高気温は30℃。専門家チームの推計はラ・グアイラ州で使用できなくなった建物は約1万棟、修復が必要な建物は3万~5万棟。政府の発表を大きく上回っている。ロドリゲス暫定大統領は各国に支援への協力を呼びかけているが、国際社会から継続的な支援を受けるためにも被害の実態を正確に把握し情報を公開していくことも課題になりそうだ。ベネズエラ・カラカスの中継映像。キャンプ、立入禁止の建物の紹介。人々の疲労がピークを迎えている。被害の全容の把握が出来ていない。ラ・グアイラ州は被害が大きく、行方不明の数は相当数にのぼるとみられる。住民が自力で危険をおかしてでも探している。医療支援も極めて重要になっている。国全体の復旧にはかなりの時間がかかるとみられ国際社会は継続的支援が求められる。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
パキスタン “生理のタブー”と闘う女性たち

パキスタンでは女性の生理は“不浄なもの”“タブー”とされ多くの女子生徒が学校を欠席。経済的な事情から衛生的な生理用品が十分普及していないのが現状。パキスタン・カラチで暮らすファルハ・ナーズさん。学生時代生理が来るたびに母親が教師に知られることを恐れ毎月3日登校を許されなかった。ファルハ・ナーズさんは「私たちの社会では女性は体を覆うべき、自分の痛みを誰にも話してはいけないと教わった。生理について話すことはタブー視され、女性同士でもあまり話さない。生理に関する知識もない」と話した。国連によると、“生理だと他人に知られたくない”など学校を休む女子生徒は1/5人。学習機会や社会進出を阻む要因になってきた。草の根の活動、パキスタンのNGOが開いた集会の紹介。“生理のタブー”を取り払い、自然と語れるようになることを目指している。集会にはファルハ・ナーズさんも参加し、過去の悩みを話し気持ちが安らいだという。NGOはこれまで約1万人の女性に整理に関する教育・集会を実施。生理に関する啓発活動を行うNGO「ベタック」・アイシャ・アミン代表は「2018年に活動を始めた頃はメディアやデジタル空間、あるいは政策の場でさえ生理についてオープンに議論できる環境ではなかった」「状況は改善したが女性が不安なく尊厳を保って生理を迎えるにはまだ不十分」と話した。生理用品の普及も大きな課題。国連によるとパキスタンでは市販の生理用品を使う女性の割合は12%。経済的事情のほか、男性店員から購入もためらう女性も多いという。パキスタン・サッカル郊外では日本や国連の支援を受け繰り返し使えるナプキンの作り方を教えている。布や給水パットなどを提供し、1枚60円ほどで販売。3か月から半年使えるといい、市販品より大幅に安くなるという。NGOから作り方を学んだ女性・ラニ・ナイクモマン・ブットさんは「NGOの人たちは教育を受けていない人たちでも理解できるようわかりやすく説明してくれた」「作ったナプキンを売ることで家計の足しにもなるので私たちにとって有益」と話す。このナプキンで安心して生活可能になった。今では地域の女性に作り方を広める役も担っている。市販の生理用品が十分に普及しない背景は税金によって高価だったこともある。国連は生活必需品では免除される18%の売上税など価格の40%を税金が占めていたと指摘している。マヌール・ウメル弁護士は「パキスタンでは生活必需品の生理用品が贅沢品の扱い。それが裁判の始まり」と話し、生理用品への課税は“憲法上の権利を侵害する”として、政府に税の撤廃を求め提訴した。反響を呼び、オンライ署名は1万筆以上になった。政府は判決を前に生理用品への売上税を今月から撤廃した。パキスタン・アウラングゼーブ財務相は「生理用品は女性の健康と尊厳にとって必需品。よって税を撤廃する」と話す。マヌール・ウメル弁護士は他の税についても撤廃を目指すほか、社会の生理への偏見とも戦居続ける考えだ。

保守的な社会 変化の兆しも/根強い偏見 変えるには

パキスタンは保守的な男性優位の社会。イスラマバード支局長・太田佑介に話を聞く。パキスタンでカメラの前で生理について語ることは勇気がいることだが、現状がかわるきっかけになるといいと女性たちは話してくれた。若い世代を中心に生理は恥ずかしいことではないと認識が広まりつつある。しかし男性の理解はまだまだ進まず、NGOに対しSNS上で「恥知らず」などバッシングする人も後をたたない。男性にも加わってもらいながら、生理を巡る環境を変えることをマヌール・ウメル弁護士やNGOは目指している。パキスタンでは生理に対する授業はなく、偏見を助長しているという指摘もある。公共スペースで安心して使えるトイレがないということもある。マヌール・ウメル弁護士はアメリカ・タイム誌「ことしの女性(ウーマン・オブ・ザ・イヤー)」に選出されるなど環境を変える機運が高まっている。女性たちによる変革は着実に進んでいる。

WOW!The World
インド AIのためカメラつけ働く

インドの南部でカメラを頭につけて洗濯物をしまう女性。AI関連企業の担当者は「ロボットはしまい方を知らないがデータを送れば学ぶことができる」と話す。オフィスでも農作業でも布製品の工場でもカメラを付けている。AI立国を目指すインドは豊富な人材力を背景にさまざまな作業が撮影され、AI開発に利用されている。

エベレスト 頂上でドローンが大気観測

中国のドローンメーカーと北京大学の研究チームによるドローンの大気観測プロジェクト、エベレストの頂上でドローンの飛行に成功した。対流圏でのプロペラの安定駆動とバッテリー低下の問題を克服したという。ネパールでもドローンが47キロの荷物を積んで標高6300m以上を飛行することに成功した。酸素ボンベや医薬品も運べ、エベレストは新たな時代を迎えることになりそうだ。

アザラシがボディーボードに?

アメリカ・メーン州の沖合でボディーボードにのるアザラシの赤ちゃんが乗っていた。

山澤’s Focus
サッカーW杯 “国民”の定義は?

サッカーワールドカップ北中米大会、ベスト4が出揃い、14日にはフランスvs.スペインが対戦する。“国民”とは誰のことを指すのかという議論について考える。発端となったのはスペインのラホイ前首相が書いたオンラインの記事。「フランス代表は今大会の全試合で勝ちFIFAランキングで1位につけている。さらに極めて高いレベルの選手層を誇る。もっともフランス人はいないが」。これが人種差別だとして批判が出ている。モロッコ戦のフランス代表の先発メンバーではアフリカや中東などからの移民のルーツがある選手が複数いるため、ラホイ前首相はそれを念頭に置いたものとみられる。FIFAは代表選手に選ばれる資格を規則で明確に定義づけている。代表選手の資格について、代表チームの所属国の国籍を保有。その国との明確な結び付きも求められる。一定期間居住し国籍を取得すれば資格を得られる。フランス代表選手は全員がフランス国籍を保有している。エムバペ選手について、パラグアイの上院議員は植民地のカメルーン出身で必死にフランス人ぶっているなどと中傷しパリの検察が捜査を開始する事態に発展している。アルゼンチンのメンドーサの副知事がフランス代表をマナーの悪いアフリカ人のチームとSNSに投稿。ラホイ前首相の発信を受けてフランスのヌニェス内相は、全く容認できない。フランスは多様性があり誰もが活躍でき居場所を見つけられる国だと批判。フランス代表はなぜ人種問題に絡めて語られてしまうのか。フランスにはブラック・ブラン・ブールという表現がある。黒人、白人、フランスで生まれたアラブ系の人を指す。様々な人種が共存していることを表す表現として使われてきた。1998年の優勝した際、ブラック・ブラン・ブールの象徴だともいわれ、多様性の成功例だとして称賛された。ジダン選手も両親はアルジェリア出身。ひとたび状況が変わるとこの表現が批判的な文脈で使われることも少なくない。フランス国籍を保有しているかどうかという法律上の問題ではなく本当のフランス人なのかという議論が繰り返し行われてきた。国家を体現する存在でもあるためしばしば政治的や社会的な論争になってしまうのかもしれない。ヨーロッパでは近年、国民は民族という考え方ではなくて市民権を持ちその国で生きる人という考え方が主流。フランスでは国籍を持ち国の法律や価値観を共有する人たちが国民だとする市民国家を掲げている。ただこうしたチーム構成はフランスに限った話ではない。イングランドのブカヨ・サカは両親がナイジェリア出身。ドイツのジャマル・ムシアラの父親はナイジェリア出身。スペインのラミン・ヤマルは父親がモロッコ出身、母親が赤道ギニア出身。多くの強豪国の主力選手が移民としてのルーツを持っている。

Monday Biz
タイ 大型ショッピングモール 競争激化

タイでは大型ショッピングモールの開発が相次いでいる。タイの小売最大手の財閥企業と日本の不動産大手が記者会見を開く。540億円を投じて新たな複合施設を建設する計画を明らかにした。高さ200m、延べ床面積14万平方メートルでホテルや商業施設、オフィスが入る予定。日本発のアパレルや飲食店の出店を見込んでいて中間層の需要を取り込みたい考え。三菱地所タイ社の岡本さんはマーケットにもアピールしていきたいと述べる。

中国 世界有数テレビメーカー 披露したのは

TCLのショールーム、イベントでは最新モデルを披露。また最新の開発状況なども紹介され割安な商品だけでなく高品質でハイエンドな製品開発にも力を入れていることが強調された。テレビ事業は低価格競争が過熱、韓国、中国のメーカーがシェアを伸ばす。ソニーグループはテレビ事業を分離しTCL側が51%、ソニーが49%出資する新会社に事業を引き継ぐとしている。来年4月に事業開始予定。

ドイツ パワー半導体 世界最大手が新工場

パワー半導体の世界最大手はドイツのメーカー。パワー半導体は電力の変換や制御などを通じ電気を安定的に供給できるようにする。インフィニオンテクノロジーズは約9200億円を投資し生産能力で世界最大の新工場の建設を進めてきた。新工場では厚さが従来の半分以下という高性能な基盤が製造される。ハネベックCEOは最先端の施設で脱炭素化とデジタル化を推進しヨーロッパを半導体の拠点としてさらに強化したいと述べる。ドレスデンはヨーロッパ最大級の半導体産業の集積地。日本やアメリカ、台湾などからも投資が行われている。ドイツのメルツ首相は、ここで生産される高性能の半導体こそが重要な構成要素になる。世界のパワー半導体市場規模は推計で2035年に約15兆円と現在の1.6倍以上。市場が急速に拡大する中国についてハネベックCEOは、競争にも十分対応できると述べる。パワー半導体は日本企業も力を入れている。三菱電機、ローム、東芝の3社はパワー半導体事業の統合に向けて協議を始めることで基本合意。実現すれば世界シェアが2位となる見込み。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
カタール ハマド前首相(74)死去

中東のカタールをLNG(液化天然ガス)の世界最大規模の輸出国に押し上げ、近代カタールの設計者とも呼ばれたハマド前首長が12日、亡くなった。74歳だった。ハマド前首長は1952年1月、首都ドーハで生まれ、イギリスで学んだあと1995年、当時の首長だった父親を追放し首長に就任した。就任後は、カタールを世界最大のLNG輸出国に押し上げ近代化を進めた他女性の参政権を認めるなど民主化を推進した。また、中東のニュースを主にアラビア語と英語で伝える衛星テレビ局「アルジャジーラ」を開設した。カタールはイスラエルとハマスの軍事衝突で仲介に当たるなど国際社会で存在感を高め、アルジャジーラは「彼の影響力はカタールの国境をはるかに越えて広がっている。」と伝えている。

米「ニューヨーク・タイムス」 “日本はロシアを物資調達拠点”

米有力紙ニューヨークタイムズは12日「4年前にロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めて以降、西側諸国から追放された数百人のスパイのうち数十人が”予想外の場所”日本に現れた。」と伝えた。また、東京にあるロシアの大手航空会社アエロフロートの事務所が活動の拠点になっているとしている。また、諜報活動に対する日本の緩い法律と高度に発達したハイテク産業がロシアの戦争遂行の重要な一部となっていると指摘している。

解説 ロシアの武器に外国製部品 日本製も

「日本がロシアにとってハイテク物資などの調達拠点になっている。」というニューヨークタイムズの報道。ウクライナ側は、かねてから危機感を強めていて、ブラシウク大統領顧問は先月、共同通信の取材に「ロシアがウクライナ侵攻で使用しているミサイルと無人機のうち9割に日本企業が製造した部品が含まれている。」と話している。ウクライナ政府が立ち上げたウェブサイトには侵略者が使う武器の部品とあるがロシア軍の兵器から見つかった外国製の部品がデータベースとして公開されている。これを日本で検索すると日本製の部品がリストアップされる。ウクライナ側はロシア軍の兵器から見つかった部品のシリアルナンバーまで日本をはじめとする当該国に提供している。そのうえでブラシウク大統領顧問は「製造番号まで分かっている。調査して輸出をやめさせるべきだ」と各国に呼びかけている。日本では今年5月、国家情報局を設置するための法案が成立。スパイによる工作活動に対処するための情報収集も強化される見通しだ。ただ、日本の製品は生産した企業側も知らないまま第三国を複雑に経由してロシアに渡っているともみられていて輸出管理の厳格化が課題となっている。

ウクライナ 首相交代へ “駐米大使に起用”か

ウクライナのゼレンスキー大統領は12日。スビリデンコ首相を交代させる方針を示した。スビリデンコ氏は首相になる前は第1副首相と経済相を兼ね、アメリカとの経済連携協定の交渉で中心的な役割を果たし、去年7月に首相に就任した。ゼレンスキー政権の中でトランプ政権との関係が良好な人物とされウクライナやヨーロッパの一部のメディアはスビリデンコ氏が駐米大使に起用される可能性を伝えている。ゼレンスキー大統領は「スビリデンコ氏に対して主要なパートナー国との関係を主導するという新しい重要な役割を提案した。」とSNSに投稿した。

(エンディング)
皆さんの声 募集中

QEコードから視聴者の声を募集している。

あすは

あすの特集「オーストラリア 日本人女性「海外売春」の実態」の予告。

エンディング

エンディングの挨拶。

1 - 2

© 2009-2026 WireAction, Inc. All Rights Reserved.