2026年7月7日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2026 建国をどう祝うのか アメリカ250年の現在地

出演者
山澤里奈 辻浩平 藤重博貴 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(ニュース)
中国 戦略ミサイル発射

中国海軍は現地時間の今日午後0時1分、日本時間の午後1時1分に戦略原子力潜水艦が訓練用の模擬弾頭を搭載した潜水艦発射型の戦略ミサイル1発を発射したと発表した。ミサイルは予定していた海域に正確に着弾したということだが具体的な場所などは明らかにしていない。中国外務省の毛寧報道官は「国際法と国際的な慣例に合致しており、特定の国や目標に対するものではない。」と述べている。一方、日本政府は「日本時間の今日午前11時半に北京の日本大使館が中国国防省から弾道ミサイルを発射するとの説明を受けた。」としている。中国の安全保障に詳しい防衛省防衛研究所の飯田将史先進領域研究部長は「今回の発射はアメリカに対する強いメッセージと理解するのが正しい。」と述べた。

アメリカ 建国250年 祝賀と抗議と

アメリカ建国から250年の節目となる独立記念日、首都ワシントンではおよそ85万発とされる花火が打ち上げられた。祝賀行事で演説したトランプ大統領は「アメリカの黄金時代の幕開けに過ぎない。」と国の将来に自信を示した。一方、建国ゆかりの地フィラデルフィアではトランプ大統領の政権運営に抗議する人たちが「戦争反対」「王様はいらない」などと書かれたプラカードを掲げ私たちは闘い続けると訴えていた。建国250年に合わせたイベントなどを主導するトランプ大統領に対しては手続きの正当性などについて批判も出ている。その一つがホワイトハウス近くにある反射池の改修。公民権運動を率いたキング牧師が「私には夢がある」という有名な演説を行った場所だが、トランプ大統領は建国250年に合わせ池の底を、アメリカ国旗の青色に塗り替える工事を実施。ただ、工事の完了後、水が濁ってしまったという。アメリカの公共政策に詳しいハワード大学のマーカス・ボード准教授は独立記念日のイベントに間に合わせるため検討が不十分だったと指摘した。また、工事を請け負った業者の代表がトランプ大統領に献金したことがある人物だったと報じられていることも踏まえ現状を問題視している。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
アメリカ独立記念日 過去の大統領が発したメッセージ

トランプ大統領が語るアメリカの将来への自信に熱狂する人がいる一方、これまで掲げてきた民主主義や自由が脅かされていると抗議の声も上がった建国250年の独立記念日。国内ではトランプ大統領肝煎りのさまざまなイベントが開かれてきた。格闘技好きで知られるトランプ大統領。先月には、ホワイトハウスの屋外に設置したリングで総合格闘技の試合を行い、みずからも未明まで観戦した。さらに首都ワシントンの中心部ではトランプ大統領が好んで使う言葉を入れた「グレート・アメリカン・ステートフェア(偉大なアメリカの展示会)」と名付けられたイベントを開催。各州の産業などを伝えるブースが設けられた他トランプ大統領が建設を目指す凱旋門のレプリカも設置された。4日の演説でトランプ大統領は結束を呼びかけた一方で、国内の対立する勢力については重ねて批判した。こうした大統領の姿勢に対し抗議する人たちもワシントンに集まった。

社会の分断は過去にも深刻な問題だったがかつてのホワイトハウスの主は今とは違う形で向き合ってきた。建国200年の時の大統領、フォード氏は現在と同じ共和党の大統領だった。ミシガン州にある博物館には、大統領にまつわる品や、建国200年の記念に関連したものもおよそ3000点収蔵されている。建国1976年はウォーターゲート事件によって前任のニクソン大統領が現職大統領として初めて任期途中で辞任に追い込まれた2年後。アメリカが泥沼化の末に撤退したベトナム戦争の終結直後でもあり社会は分断と混乱の中にあった。急きょ、後任となったフォード大統領はこうした状況を受け建国200年で重視したのが人々が互いの違いを認め合いながらひとつの国としてまとまることだった。アメリカ国籍を新たに取得した人たちのため、独立記念日の翌日にみずから演説し、自由や平等といった建国の理念のもとアメリカが、さまざまな人を受け入れることの重要性を訴えた。そして建国200年を祝うイベントは政府が主導するのではなく各地の人々によってさまざまな形で行われるべきだと強調した。呼応するように、子どもたちが1文字ずつ並べて作った独立宣言や、建国からの年輪が刻まれた木材など各地からアイデアにあふれた記念の品がホワイトハウスに贈られた。ともに社会に分断を抱えながら50年で大きく変化したアメリカ。シカゴ大学のジョン・ハンセン教授は、指導者たちの政治手法が変わったことが背景にあると指摘している。

トランプ大統領の姿勢/融和への道筋は

歴代の大統領たちもさまざまな形で建国を祝ってきたが、トランプ大統領は国内で対立する勢力を排除するかのような姿勢は際立っているといえる。「偉大なアメリカの展示会」ではトランプ大統領が建設を目指す凱旋門のレプリカもあり党派色が強すぎるといった批判も上がっている。CBSテレビと大手調査会社YouGuvが先月、建国250年に合わせて2000人余りを対象に行った世論調査で、アメリカの今後50年における最大の課題について「政治的な分断」と答えた人が25%と最も多く経済的な暮らしやすさや気候変動などを上回った。トランプ大統領みずからがアメリカの偉大さを掲げるその陰で、将来にもわたる分断への懸念があらわになっている。シカゴ大学のハンセン教授は「寛容の精神や、時間がかかっても他の意見も尊重しながら物事を決めていくといった、いわば民主主義のコストが必要だ。」と指摘していた。しかし、自らの考えを貫き、時には相手を否定しながら成果を強調する、いわば「トランプ流」の政治手法が続けば道のりは遠いと言わざるをえないという。ただ、アメリカの歴史に関する展示を手がけてきたスミソニアン協会のバンチ事務局長は「建国250年がどのように扱われたのかを記録し、複雑さを伝えていくことで、融和に向けた共通項を見いだしてもらうきっかけになる。」と話していた。多くの人が共感できる価値観が見いだされ再び一体感を得るための歩みが始まるのか、それとも、政治による分断がさらに深まっていくのか。建国250年はその分水嶺になるかもしれない。

(ニュース)
イラン ハメネイ師葬儀 後継者モジタバ師 姿見せるか注目

4日から首都テヘランで始まっているイランの最高指導者ハメネイ師の葬儀。ひつぎが安置された礼拝施設には大勢の市民がハメネイ師の肖像やイランの国旗を掲げ追悼の祈りをささげていた。5日は後継の最高指導者モジタバ・ハメネイ師の兄弟3人がペゼシュキアン大統領らと参列する様子を地元メディアが伝えた。葬儀3日目となる6日、ひつぎを乗せた車が葬列を組みテヘラン各地を回った。イランの国営メディアによるとイラン当局は朝国民に対し葬列が通過するテヘランの広場などに集まるよう呼びかけていて、多くの市民を参列させることで国の結束を強めるねらいがあるとみられる。ハメネイ師のひつぎは7日、イスラム教シーア派の聖地としても知られる中部のコムに向かったあと、8日には隣国イラクでも葬儀が行われ、9日にはハメネイ師の出身地イランの北東部マシュハドで埋葬される予定だ。

辻’s ANGLE
ハメネイ師葬儀 どう読み解く?

イランの最高指導者、ハメネイ師の葬儀を3つのポイントで深堀り。1つ目は「なぜ今行われているのか。」イスラム教の教えでは死者は死後なるべく早く埋葬するのが望ましいとされている。ハメネイ師が殺害されたのは今から4か月以上前で、葬儀がこの時期になったのはいうまでもなく、戦闘が続いていたことやアメリカとの停戦合意がなされたこともあるが、別のねらいもあるのではと報じられている。イスラム教シーア派にとって重要な、アシュラの日の直後のタイミングだからという理由だ。アシュラというのは1300年以上前にイスラム教の指導者が殺害され殉教したことを追悼する重要な宗教行事で、CNNは「葬儀はイスラム暦のムハッラム月に執り行われる。アシュラが行われる月のことで、イスラム教シーア派にとって喪に服したり、裏切り、殉教と深く結び付いている。」と指摘している。アメリカとイスラエルに殺害された最高指導者ハメネイ師を改めて殉教者として国民に意識させるねらいもあったのではないか。」と指摘している。

イランの最高指導者、ハメネイ師の葬儀を3つのポイントで深堀り。2つ目は「葬儀に込められた意図」。イラン側は葬儀を最高指導者への追悼はもちろん国内外にメッセージを送る重要な場だと位置づけているとみられる。そのメッセージとはイランの体制は今も強固で揺らいでいないこと。そして、イランは孤立していないことだ。まず、注目すべきだが圧倒的な数の参列者。国営メディアは葬儀に参列する市民は2000万人に上る。これはイランの人口のおよそ5人に1人に当たる。ハメネイ師が率いるイスラム体制には不満を抱える人も少なくない。今年1月に、大規模な反体制デモが起きたことも記憶に新しい。国際社会へのメッセージも明確だ。またイランのアラグチ外相は70の国や地域から代表団を迎えたと発表した。パキスタンやアルメニアなど近隣国からは首脳が、中国やロシアからも高官が訪問している。そして、もう一つ注目したいのはハマスやヒズボラ、フーシ派といったイランが支援してきた代理勢力からも代表団が参列していること。アメリカが軍事作戦の目標としてイランが代理勢力への支援を停止することを掲げていた。代理勢力の葬儀への参列や会談は「アメリカの思いどおりにはさせない。」というイラン側の意図が込められているようにも見える。

最後のテーマじゃハメネイ師の息子で後継の最高指導者モジタバ師が葬儀に参列するかどうか。モジタバ師の兄弟は葬儀に参列しましたけれども本人の姿は確認されていない。ニューヨーク・タイムズは「モジタバ師本人は9日の埋葬の式典への参列を望んでいると報じているけれども、イラン側は警戒を緩めていない。」実際トランプ大統領に近いとされる保守派のインフルエンサーからは要人が一堂に会する葬儀は攻撃に最適な環境だという好戦的な投稿をしている。イラン指導部は葬儀を通じて今もイスラム体制は強固であると演出している。しかし、その中心にいるはずの後継の最高指導者が公の場に立てない現実。このコントラストこそが今のイランが直面する現実を浮き彫りにしているという。

(ニュース)
米 トランプ大統領 FIFA会長に電話 処分見直しを要請

サッカーワールドカップ北中米大会で政治との関係が問われる事態が起こっている。アメリカ代表のバログン選手は1日に行われた決勝トーナメント1回戦のボスニアヘルツェゴビナ戦で後半、相手の足を踏むファウルでレッドカードを受け退場した。FIFAの規則ではレッドカードで退場になった場合自動的に次の試合が出場停止となる。ところが、FIFAはは5日バログン選手について出場停止の適用が1年間猶予されたと発表した。アメリカ・ABCは衝撃的な決定だと伝えている。またABCは「情報筋によると先週、トランプ大統領がFIFAのインファンティーノ会長に電話し問題の見直しを求めた。」と伝えた。すぐにトランプ氏は「FIFA、ありがとう」とSNSに投稿。5日夜、ベルギーサッカー連盟はひどく驚いたとし「FIFAは自身の規則に反している」と断言。スポーツのフェアプレーの基本的な原則を守るための選択肢の調査をすると明言した。バログン選手はここまで4試合でチーム最多の3ゴールを挙げている。UEFAは6日、声明を発表し「レッドラインを超えた。」と決定を厳しく非難した。

決勝トーナメントに進出できなかった韓国でも論争が起きている。敗退後、イ・ジェミョン大統領がSNSに「無能な人物を指揮官に選べば結果は火を見るよりも明らかだ」と投稿しホン・ミョンボ監督やサッカー協会を痛烈に批判。ホン監督は敗退の責任をとって辞任したが、選手起用を巡り批判が噴出した他サッカー協会の会長と大学の先輩後輩の間柄だったことから選考過程が不透明だなどとしてサッカー協会にも批判が相次いでいる。こうした状況を受け韓国政府は今日、官民が協力して代表チームの改革を進めるためのサッカー革新委員会を発足。共同委員長にはJリーグなどでも活躍した元代表選手のパク・チソン氏が就任した。この他、韓国政府はサッカー協会の組織運営に問題がなかったかを調べるため特別監査を行う方針を示していて、代表チームの在り方を巡り論争が続いている。

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WOW!The World
クーラー売り出しに殺到

フランスのスーパーマーケットに開店と同時に流れ込んだ人々。目指すはクーラーか扇風機。段ボールにしがみつく女性を足蹴にする人も。厳しい暑さに見舞われる中、あるチェーン店がクーラーと扇風機計20万台を売り出すと広告をうった。しかし各店舗の在庫は限られている。扉が壊されたり催涙ガスがまかれたりした店も。スーパー側は店舗で起きたことを残念に思うとコメント。治安部隊が介入した後、複数の店舗が閉鎖を余儀なくされたという。

誕生会に撮影会 パンダ6頭の夏

誕生会に撮影会、香港にあるオーシャンパークでは6頭いるパンダをテーマにしたイベントが盛りだくさん。8月には4頭が誕生日を迎え、このうち一昨年生まれた双子のパンダはぐんぐん成長、誕生日には成長記録の映像が公開される。9日からはペットの犬と一緒に入れる飲食店も3軒オープン。ますます賑やかになりそう。

泥棒が壁に閉じ込められた!

アメリカ、カリフォルニア州で休憩中の警察官が助けを求める声を聞き救助へ。助けだすと実はこの男、泥棒だった。屋根から転落して10時間ほど閉じ込められていたとか。無事救出されたが男はその場で御用となった。

Monday Biz
アメリカ 雇用統計発表

アメリカの雇用統計が先週発表された。農業分野以外の就業者は前月比5万7000人増加したものの伸びが鈍化。市場は11万3000人程度の増加を見込んでいた為予想を下回った形。FRBが利上げを行うとの観測がやや後退。最近まで雇用堅調さが維持されてきた中でイラン情勢を受けた物価上昇が続いていた為、利上げが必要になるという見方が強まっていた。一方トランプ大統領は利下げを求めて繰り返し圧力をかけてきた。トランプ大統領の指名を受けて就任したウォーシュ新議長。元三菱UFJ銀行エコノミスト・鈴木敏之氏は「ウォーシュ議長はインフレを抑え込むことに強い意欲を持っている。利上げに動くのではないか」その一方で原油価格が危機前のレベルまで下がっているなどとコメント。金融市場では年内に少なくとも1回の利上げが行われるという見方がある。

タイ キャラクタービジネス 急成長

先月キャラクタービジネスを手掛ける日本の大手商社とタイで食品や日用品を販売している財閥企業が協定を結んだ。タイでも人気が高いクレヨンしんちゃん。両社は新たな商品の開発や販売の他、キャラクターグッズ専門店の展開などで協合していく方針。日本政府はコンテンツ産業を成長戦略の柱に位置づけ2033年までに海外での売り上げを20兆円に拡大する目標を掲げている。期待が集まっているのが経済成長と人口増加が続くアジア。タイでは若者を中心にキャラクターグッズと一緒に撮影したグッズをSNSに投稿するのがブームになるなど人気が加速。2024年のキャラクタービジネスの市場規模が前年比3倍の350億円余に急拡大。

中国 「銀髪経済」が好調

中国の高齢者数は去年末時点で2億2000万人、2035年には3億人超。銀髪経済の市場規模は700兆円になると予想されている。先月開かれた介護用品の大規模な展示会。約100種類の介護用品を扱う日本企業のブースが人気。中国での今年の売り上げが去年の5倍と見込んでいる。ヤマシタホームケア事業本部・永井新部長は「日本の会社としてはビッグチャンス」という。中国では自宅で家族と暮らす高齢者が多く約9割。住宅のバリアフリー化が高まっているという。リフォームで選ばれる製品のほとんどは日本製だという。手すりは高齢者が体重をかけやすいように断面は楕円形に、床板は衝撃を7割ほど吸収し転倒時のリスクを軽減できるという。四川省で長年営業する日系商業施設、定期的に企画される高齢者との交流会を通じ日本の介護用品の良さをアピール。福岡県の担当者はいまシェアを拡大できれば、この先20年中国で生き残っていけると意気込んでいる。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
ベネズエラ地震 死者3,000人超 直接的被害 約6兆円

ベネズエラで先月24日相次いで起きたマグニチュード7を超える地震でベネズエラ政府は、これまでに3342人の死亡が確認されたと発表。アメリカのニューヨーク・タイムズなどは遺体の身元確認に時間がかかっていることなどから死者の数がさらに増える可能性があると伝えている。また国連の機関は住宅やインフラへの直接的な被害額が370億ドル日本円で6兆円近くになる可能性があると分析。

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