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オープニング映像。
JR西日本の特急やくも新型車両のデザインを請け負った川西康之。上越地方を走る雪月花、JR西日本のWEST EXPRESS銀河などのデザインも手がけている。
やくもの新車両が仕上がりつつあった2023年夏。川西は出来ばえのチェックで工場に赴いた。デザイン・設計側と維持・管理をする鉄道会社のせめぎあいだったと川西は語る。新型やくもは沿線地域の再生を担っている。川西の仕事の多くは何年にも及ぶ長期戦だが、珍しく短期間で完成する芦ノ湖遊覧船のリニューアル案件が始動した。プロジェクトはクライアントの今を知ることから。川西が注目するのは乗客の動き。移動手段ではなく体験を楽しめる遊覧船にするために船全体を公園のようにするデザインのプレゼンを行った。3か月後、芝生や船上ブランコの準備が進んでいた。川西は乗客の動線を考えて解決策を考えた。1週間後、船内を探検してもらえるように誘導サインを変更した。リニューアルした遊覧船は2024年2月に就航。乗客は短い船旅を満喫していた。
通勤電車が嫌いだという川西は自転車で事務所「イチバンセン」に出勤。最近は古民家のリノベーションを手がけている。事務所に詰めている日はなるべくスタッフと昼食を共にする。川西は1976年奈良県生まれ。鉄道デザインのパイオニア・水戸岡鋭治の作品集に「公共のデザインが変わることで風景が変わり文化が生まれる」と衝撃を受けた。千葉大学に進み大学院で建築デザインを学び、デンマーク留学を経てフランスで建築・鉄道関係の職に就き視野を広げた。
関わっている仕事の一つが通勤電車の改良。ベビーカーを押す母親のために座席を作れないかと考えていた。発想の原点は自身の体験にあるという。複数のプロジェクトが同時進行する中、久々の休日を家族と過ごした。自他ともに認める仕事人間だが、5歳の一人娘から学ぶことも少なくない。川西は「ダウン症という個性を持ってくれているおかげでいろんな世界とのつながりが僕も広がる」と話した。川西は世の中をもっと豊かにするヒントを求めてイギリスを訪ねた。
イギリス・ピーターバラの街には引退した機関車を集めた施設があり、古い車両の運転も体験できる。川西は1935年につくられたイギリス鉄道最後の蒸気機関車を体験した。
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- ピーターバラ(イギリス)
14年前、土佐くろしお鉄道からの依頼で初めて駅舎のリノベーションを手がけた時、川西は3か月住み込み、まず乗降客の観察から始めた。高校生が床にノートを置いて勉強していたのを見て自習室を作った。地元名産のヒノキを使ったイスは歳月を経ても落書きひとつない。中村駅のリノベーションは国際的にも高く評価された。
2月、デビューを前に特急やくもの新型車両が公開された。だが、川西の仕事はまだ終わらない。
岡山駅と出雲市を結ぶ新型やくも。川西は途中の米子駅と出雲市駅で待合室のデザインを任されていた。ここでも山陰の木材を生かしているが、川西は照明のムラを指摘し急遽位置を調整した。運行を開始した新型やくも。川西が期待するのは地域を元気にすること。この国の未来を見据えている。
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