2023年9月2日放送 22:00 - 22:30 テレビ東京

新美の巨人たち
ヨシタケシンスケ「メメンとモリ」×千秋

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(オープニング)
今回は…

ヨシタケシンスケのもうぬげないはだれもが思い当たる、子供の頃の体験を描いた作品。海外でもその作品が絶賛された。これまで26冊の本を出版しその全てが大ヒットに。世界に衝撃を与えた最新作が驚きの内容だという。

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もうぬげない
オープニング

オープニング映像。

新美の巨人たち
ヨシタケシンスケの最新作「メメンとモリ」

ヨシタケシンスケさんの最新作のメメンとモリは、姉と弟の物語で、人は何のために生きているのかと問いかける3つの話があり、弟が手作りの皿を割ってしまい、その誰もが経験する些細なできごとを短いストーリーの中で人生の大切なことを教えてくれる。そのヨシタケさんの頭の中を覗くと何もない所から面白みを抽出する装置などがあるというが、また心配やいいわけ、負け惜しみを抱えているという。

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もうぬげないスティーブ・ジョブズメメンとモリ

ヨシタケさんは1973年に神奈川県で誕生した。絵本が好きな母の影響でたくさんの絵本を読んでいたという。モノづくりがしたいと考えるようになり筑波大学に入学し立体造形を学んだ。しかしデッサンの授業で「こんな絵で大学によく入れたな。」と講師に言われてしまい、絵がヘタだったという。そのせいで人に絵を見せるのをやめようと思ったという。そして卒業後はゲーム会社に入社し、自分が面白いと思う企画を出したものの全く通らなかった。半年で退社したがその一方で絵は絵描き続けていたという。憧れたのはアメリカの芸術家のヘンリー・ダーガー。生きている間は誰にも認められなかったが、そんなことには頓着せずに絵と小説を描き続けた。死後に彼の作品はアウトサイダー・アートと呼ばれ脚光を浴びる。ヨシタケさんはこの愚直に作品を作る姿に憧れをもったという。そして今から10年前に思いがけず絵本デビューを果たした。そのタイトルはりんごかもしれない。男の子が学校から帰ってくるとテーブルの上にりんごがあったが、そのりんごを見て、突然もしかしてこれはリンゴではないのもしれないと、色々な考えを巡らせる物語。創造が膨らみ続けるかもしれないの世界。ヨシタケさんの思いとは逆にデビュー作は大ヒットし、第6回MOE絵本屋さん大賞2013で第1位になり大人気作家に。

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ヨシタケさんはいつも手帳を持ち歩いている。中にはスケッチやふと思いついた言葉など25年以上描き続けてきたネタ帳だという。会社員時代には仕事中バレないように書いていたクセで絵が手で隠せるサイズになってしまうという。メメンとモリの原画はA4サイズの紙に小さく描かれている。これを出版社が200%に拡大して誰もが読めるサイズの絵本にしている。絵本評論家の広松さんはだるまちゃんとてんぐちゃんやぐりとぐらは長年愛される絵本だが、余白がたっぷりあり、飾らない線が良いという。中川李枝子のぐりとぐらは、かざらない線で余白を大切にする伝統が受け継がれてきた。メメンとモリでは人物の顔は点だけで、過剰な動きはなく、シンプルな線で描かれる。広松さんはこの飾らない線が読者の目を招き入れそのスキの部分に想像力を膨らませられるという。周囲に広がる大きな余白。それが主人公が抱える様々な感情を読者に想像させる。その余白を糸井重里さんはアニメーションの一コマのような描き方をしているという。見開きの1ページでは主人公つまづいて転んだページの余白に破片を拾い集める姿までが浮かび上がるよう。ヨシタケさんの絵は時間の前後を感じさせる時間の芸術があるという。

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ぐりとぐらだるまちゃんとてんぐちゃんメメンとモリ中川李枝子

絵本作家としてデビューし10年が経過したがヨシタケさんの作品はMOE絵本屋さん大賞で過去15回7度大賞を受賞している。その人気は日本だけでなく世界15カ国以上で出版された。そんなヨシタケさんの全てが覗くことのできる展覧会が日本全国を巡回している。現在は新潟で行われ、会場には長年集めてきた収集品や大学時代に制作した立体作品の影響をうけたマンガなどが飾られる。その作品は大人がハマるという。この展覧会でポスターのデザインを担当した大島依提亜さんによると、ヨシタケさんの凄さにすぐ絵でその人とわかる点とアノニマスな感じがあり、大人が自分を投影できる絵本だという。

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MOE絵本屋さん大賞ヨシタケシンスケ展かもしれない中央区(新潟)

メメンとモリの2つ目の話は雪づくりに勤しむ姉弟が雪だるまを作るが汚い雪だるまが完成し、その雪だるまのために思いを馳せる話。そんなヨシタケさんの作品に大人がハマる理由がある。ヨシタケさんの作品は必ず人物を斜め上から見下ろすような絵が挟み込まれる。シンプルな線画なのに絵に立体感が出てそれぞれの人物がもつ背景まで見えてくる様。ヨシタケさんは立体物のデザイン画みたいなところから絵を始めたと答え今でも絵を描く作業では三次元のものを二次元に描いているという。立体的に考えれば見えないはずの裏側が見えてくるという。神保町にある児童書の専門店のブックハウスカフェは真剣に絵本を読む大人の姿が。物事を俯瞰して眺めれば些細なことでも大切なんだと気づかせてくれる。生きていると、いろんなことが起きるがそれに振り回されなくて良いと思わせてくれるという。

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ブックハウスカフェメメンとモリ

メメンとモリの最終話はつまらない映画を見た姉と弟が損した気分になったという弟が姉に人は楽しみに生きているわけではないと人生を語る。絵本のタイトルになったラテン語のメメント・モリはいつか死が訪れることをわすれるなという重い言葉。しかし裏を返せば今を楽しめという意味になる。ヨシタケさんはメメンとモリについては読んだ子供が大きくなりこのタイトルの元ネタがわかる時にまた違う読み方ができるかもしれないと答えた。

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メメンとモリ
(エンディング)
次回予告

新美の巨人たちの次回予告。

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