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今年はわたせせいぞうデビュー50周年。現在全国を巡回する展覧会が行われている。会場には近年描かれたカラフルなイラスト作品を中心に、めったにみられない貴重な原画も展示されている。わたせさんのサイン会には数多くのハートカクテル世代が集まっていた。
わたせせいぞうのハートカクテルが大好きだという北村一輝。東京・白金台にあるわたせせいぞうギャラリーでは常設展示されたわたせせいぞう独特の色鮮やかな絵が訪れた人の心を浮き立たせる。シルクスクリーンの作品やデジタルプリントされたポスター、日々の暮らしを彩るポスターとして購入する人も。北村さんの自宅の壁にもお気に入りの一枚が。ファン垂涎の一点はハートカクテルの単行本の一巻の表紙と、第一話の原画が。今日の作品のハートカクテルは、1983年からモーニングに連載された一話4ページのフルカラーの漫画だった。第一話ではかつての彼女の面影をもとめて故郷を訪れた男が立ち寄ったカフェで彼女の近況を耳にしてそのまま立ち去る。手書きのおしゃれなセリフ回しも異例だった。6年半の連載で一話完結の作品のストーリーが250話も紡がれた。
わたせせいぞうは元々サラリーマンだったという。
ハートカクテルが誕生した80年代の日本はバブル時代で仕事漬けの毎日が当たり前だった。福岡県出身のわたせさんは大学を卒業後に損害保険会社に入社した。猛烈に働き、全国最年少の若さで営業所長になった。平日はサラリーマンをし土日は漫画家として作品を発表していたが当時のペンネームはわたせ青三。モーニングから漫画連載の話を持ちかけられたという。当時モーニングは発行部数が伸びず創刊数ヶ月にして危機を迎えていた。この時わたせは37歳だった。後日呼び出されると、当時わたせさんが描いていた2ページの連載漫画おとこの詩からこういう絵が描きたいという意思と他の漫画にはない可能性を感じたという。さらに4ページをフルカラーでと頼まれたがわたせさんの作品は色を付けばもっと魅力的になると考えた。こうしてモーニング第16号に掲載されたハートカクテルは見事に読者の心を捉えた。もちろん北村もその一人。
ハートカクテルVol.11 ノックをしなかったサンタクロースの話を紹介した。
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ハートカクテルは前例のないフルカラーでの連載がスタート。当時、ハートカクテルの印刷を担当した石川さんは当時は人物の部分は色がついていたが、それ以外は上にトレーシグペーパーが貼ってあり印刷用のCNYK4色の色%の指示があったという。わたせさんは愛用の色見本からイメージした色を選んで数値に置き換えていた。当時のカラー漫画は漫画家の手描きだったが色ムラは避けられない。そこで均一な色彩で表現されたどこか異世界のような陰影を生み出すために印刷所への指示が最善だった。その独特な世界はすぐに熱狂的なファンをよんで単行本はベストセラーに。ドラマ化もされハートカクテルは80年代を象徴するカルチャーに。そんなブームを面白がってみていたのは漫画家の江口寿史。ストップ!!ひばりくん!の大ヒットで、人気ギャグ漫画家となっていたがハートカクテルをパロディにしたわたせの国のねじ式を発表した。漫画界のレジェンドのつげ義春のキャラクターがハートカクテルの世界に迷い込みきざなセリフに戸惑うというもの。読むほどに感じたのはわたせ作品の奥深さ。
わたせせいぞうはハートカクテルについてはサラリーマンの気持ちが入っているというがそのサラリーマンが求めているような絵だったという。こんな恋愛がしたかったなどというあこがれの世界を描いたものだった。
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ハートカクテルVol.22 ふたりのビアガーデンという作品を紹介した。
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北村一輝はわたせせいぞうのアトリエを訪ねた。そこには壁にこれまで生み出されたキャラクターたちのラフ画が。今でも同じポーズなどを描く時の参考にしているという。近年わたせさんは一枚イラストを中心に創作をしている。現在は毎年発表しているカレンダーに使う絵を製作している。アシスタントがその絵に細かく色付けしていく。どの作品をみても色鮮やかなロングショットの風景の中に僕と彼女の風景が丁寧に描かかれる。4ページのハートカクテルも最後の1コマが勝負の絵だった。ハートカクテルは最後の一コマに描かれたシーンに向けてストーリーを紡いできた。今わたせさんは1枚の絵で4ページ分の絵を描いている。それが可能になったのはデジタル技術の進歩。また江口寿史はわたせせいぞうのイラストはエバーグリーンを意識していると答えた。
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わたせさんは北村一輝が自身のファンということでサプライズが。自身のイラストをもらった。
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わたせせいぞうが北村一輝のイラストを描いた。その背景に描かれた僕と彼女は北村が今年始めて挑んだミュージカルを表現している。
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新美の巨人たちの次回予告。
「スポーツ リアライブ」の番組宣伝。