2025年1月12日放送 9:00 - 10:00 NHK総合

日曜討論
トランプ新政権発足へ 世界・日本はどう動く

出演者
牛田茉友 山下毅 
(オープニング)
オープニング

今月20日、2度目の大統領就任となるトランプ氏。米国調査会社「ユーラシア・グループ」が先週発表した「ことしの10大リスク」では米中決裂、トランプノミクス、Gゼロ世界の混迷とトランプ氏を巡る懸念が多く指摘された。各国で相次ぐ政治的混乱(カナダ・首相辞任表明、韓国・大統領拘束令状)。出口の見えないウクライナや中等(ガザ)の情勢などを伝えていく。

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(日曜討論)
2025 国際情勢のカギは

外務大臣・岩屋毅、慶應義塾大学教授・渡辺靖、学習院大学教授・江藤名保子、慶應義塾大学教授・廣瀬陽子、東京大学公共政策大学院教授・鈴木一人が2025年国際情勢のカギについてスタジオで討論。岩屋らはトランプが大統領就任後にはアメリカ第一主義を全面に出した100連続で大統領令を発令するとも見られており、1930年代の世界情勢に逆戻りする可能性のリスクもある一年間になるなどと語った。

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トランプ氏との関係構築は/トランプ新政権にどう向き合う

今年最大の注目点となるのがトランプ新政権の発足。各国首脳はトランプ氏と相次いで会談。去年12月にはフランスで、トランプ氏、フランス・マクロン大統領、ウクライナ・ゼレンスキー大統領と三者会談を行った。今月はフロリダ州の自宅にイタリア・メローニ首相を招き会談。先週、ロシア・プーチン大統領との首脳会談について言及、「彼は会いたがっておりわれわれは準備している」と述べ、ロシア側は「歓迎すべきことだ」と前向きな姿勢を示している。トランプ大統領の就任式に出席する方針である外務大臣・岩屋毅はその狙いについて「トランプ政権と信頼関係の構築をしたい。就任式に招待があったので参加をするが、マルコ・ルビオ氏とも会談を追求していきたい。石破総理の訪米、日米の正式な首脳会談に向けて地ならしをしっかりしていきたい」となどと語った。トランプ政権とどう向き合うかなどについて渡辺らは、トランプ政権開始半年は多忙になり日本外交としては時間ができるはずで、時間を味方につけてじっくり交渉していくべきなどと話した。

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どうなる関税 世界経済は  

トランプ新政権で世界はどう変わるのか。トランプ氏が強い関心を見せている関税政策。去年11月にはメキシコやカナダに対し、犯罪や薬物の流入が止まるまですべての製品に25%、中国の製品にも10%の追加関税を課す考えを示した。先週、米国CNNの報道によると、トランプ氏が同盟国や敵対する国に一律の関税を課すため国際緊急経済権限法(IEEPA)を使い緊急事態の宣言を検討しているという。関税・世界経済などについて鈴木らは、関税を自国利益のために使っていく政策が中心となっていくだろうなどと伝えた。

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USスチール”買収禁止”今後は 

日本製鉄によるUSスチール買収計画について今月、バイデン大統領は国家安全保障上の懸念を理由に買収計画に対する禁止命令を出した。日本製鉄・橋本英二会長は「憲法や法令に明確に違反」と批判、司法の場で全面的に争う姿勢を示した。トランプ氏は自身のSNSに買収計画に反対する趣旨の投稿を行っている。岩屋らは、国家安全保障上の懸念があることを理由にこの取引を中止する判断を下されたのは極めて残念なことであり、大きな括りで見た日米関係を崩さない範囲でこの問題に適切に対応する必要があるなどと伝えた。

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トランプ新政権の安保政策は

安全保障について、トランプ氏は先週会見で「グリーンランドは米国が所有すべき」と発言。デンマークの自治領であるグリーンランド周辺で中国やロシアが活動を活発化させているとし、国家の安全保障上必要だと強調した。デンマークが抵抗すれば高い関税を課す可能性も言及。さらにNATO加盟国に対して、各国のGDPに占める国防費の割合を2%から5%に引き上げるべきとした。次期政権で要職を務めるマスク氏がヨーロッパの右派と連携、あるいは主要国の政権批判を繰り返したりしている点について廣瀬は非常に厳しい反応があり、力を持っている人が、すでにトランプ政権が誕生する前からヨーロッパを揺さぶるということは非常に懸念される状況だなどと伝え、渡辺は今回のグリーンランドをめぐる発言でもその所有するデンマークというのはNATOの同盟国、そこに対して高い関税をかけるだとか、あるいは武力行使も厭わないとかは由々しき状況などと話し、岩屋はまだ就任前、どのくらいストレートに受け止めるべきかなどとコメントした。

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ウクライナ・中東 情勢に変化は

トランプ氏は中東情勢について、自分が大統領になったら中東地域の平和を実現できると発言、自信を除かせている。一方、ウクライナ情勢については、ロシアによる軍事侵攻を就任後24時間以内に終わらせると発言してきたが、先週の記者会見では、6ヶ月かそれよりもっと前に終わらせたいとし、発言内容を後退させた。ウクライナ・中東情勢に変化があるかについて廣瀬らは、トランプ氏の後退させた発言はウクライナ・中東情勢の現実を知った上での修正であり、中等に関してはトランプ氏はコネクションを持っていて中東和平構想を実現化させる思惑があるが受け入れられるのは難しく、双方ともに難しい局面が続くと見られるなどと語った。

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