2024年11月24日放送 9:00 - 10:00 NHK総合

日曜討論
いま考える「選挙とSNS」

出演者
牛田茉友 曽我英弘 
(オープニング)
いま考える「選挙とSNS」

先週、兵庫県知事選で再選を果たした斎藤元彦氏が勝因の一つとして挙げたのはSNS。NHKの出口調査で投票で参考にしたもので「SNS・動画サイト」が30%と最も多く、テレビや新聞を上回った。SNS時代に選挙、そして民主主義はどうあるべきなのか。

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(日曜討論)
SNSの影響力はどこまで

今年行われた選挙ではSNSを通じた支持の広がりに度々注目が集まった。7月の東京都知事選挙でSNSを積極的に活用し支持を伸ばしたのは石丸伸二氏。YouTubeのチャンネル登録者数は選挙期間中に倍増、得票数は2位となった。先月の衆議院選挙で議席を4倍に増やした国民民主党。兵庫県知事選挙での期日前投票の投票先では終盤になり対立候補の稲村和美氏を斎藤元彦氏が逆転、斎藤氏は「応援してくれる人がSNSを通じて広がった」と振り返った。

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慶應義塾大学教授・谷口尚子氏はSNSの影響力について、マスメディアの報道で興味を持ったことをネットで深堀りする人が多いが、自分の考えに合った情報を得ていく「選択的接触」と呼ばれる行動や類似の考え方の人同士でやりとりする「エコーチェンバー」で世論が極化する現象が生じる可能性を指摘。選挙への関心が上昇する点は良いが刺激的で面白いコンテンツへの関心が高まって真贋の見極めが後回しになっていることが課題だとした。国際大学准教授・山口真一氏は2024年は大きな転換点であると考えているという。これまではSNSの言説と社会の意見分布が大きく異なることがあったが今回そこがかなり近づいた、乖離が小さくなっていると指摘した。AIエンジニアの安野貴博氏は出馬した東京都知事選でSNSを主体として情報発信をした結果15万票を獲得した。これまでと違いネットに多くの知恵を絞らないといけなくなったと指摘した。京都大学教授・待鳥聡史氏は現時点での評価はまだ難しいとしたが変化の兆しについては考えなくてはいけないなどと話した。大学4年生でMielka代表理事の池邊亮輔氏は学生は自宅にテレビがなかったりしてハードの媒体ではメディアの情報にふれることが少なくなっていて、情報を得るのはSNSがメインだと話した。

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有権者の投票行動に変化は

兵庫県知事選の投票日にNHKが行った出口調査で投票で参考にしたものについて聞いたところ、「SNS・動画サイト」が新聞やテレビを上回り最も多くなった。「SNS・動画サイト」と答えた人の7割超が斎藤氏に投票している。年代別では10代・20代の半数が「SNS・動画サイト」を参考にしたと回答。30代・40代でも4割以上に上った。谷口氏は「SNSへの信頼の底流には既存の政治勢力やマスメディアに対する不信感などがあると思う。SNSは既存の政治ネットワーク外の人々を結集させている可能性がある」などと話した。安野氏は「SNSは有権者の声を聞くツールとして有効だと感じている。またSNS・ネットにも様々なメディアがあり、フェイクニュースを流しているようなものと一緒にして捉えるのは違うと思う」などと話した。

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山口氏は「SNSは極端な言説が拡散されやすい。また社会の分断が加速する恐れがある」などと話した。待鳥氏は「政策そのものに訴求力がなければSNSを使っても何かを生み出すことはできない」などと話した。谷口氏は「動画サイトのコメント欄を見て自分と同じ考えの人を見つけて仲間意識が生まれ、そこから投票に参加しようという動きが生まれたことはあると思う」などと話した。

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SNSと投票率 関係は/有権者が求める情報は

東京都知事選と兵庫県知事選では、ともに前回よりも投票率が上昇した。都知事選は平成以降2番目の高さで、兵庫県知事選は前回より14ポイントも高くなった。一方衆議院選挙の投票率は近年も50%台に低迷している。待鳥聡史は、SNSやネット動画では比較的対立構図がはっきりしていたり今回の知事選のようだったりする選挙に効果が大きいが、衆議院選挙のようなタイプの選挙にはSNSなどは効果が発揮しないのではないかと考えを話した。安野貴博は、全国に分散している衆院選と知事選で状況が違いそれが影響している可能性は十分あるとコメント。待鳥聡史は有権者が求める情報について、情報集約をしてほしいという気持ちに応える媒体としてSNSなどが作用しているなどと話した。池邉亮輔は、どの情報にアクセスしていいか分からない・情報にアクセスしにくいというのが課題としてあるのでそこに対して情報を提供できるようになっていければと考えているという。安野貴博は、既存メディアでは公平性という観点から抑制的な報道しかされていない状況で求めるものがあったのがインターネット側だったと話した。山口真一は、政策を深く知りたいという声に応えられているかという視点と、誤っているとされる情報が拡散されるなかで正確に調査して分かりやすく発信していたかという視点がマスメディアには欠けていたなどとコメントした。谷口尚子は、マスメディアが扱ってない論点を知るためにインターネットで情報を補っているとも考えられるなどと発言した。

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待鳥聡史は、いわゆるマスコミが報じない真実みたいなものには注意を向け伝えていくのは大きな課題などと考えを伝えた。池邉亮輔は、情報の中立性や正確性には気を使っていて、中立であることが偏って見えないようにと言う部分も非常に気を遣っているなどと話した。安野貴博は、中立性をどのように解釈し報道に活かしていくのか考えるべきだと意見を話した。山口真一は、真偽不明の情報をチェックする人材・取材能力があるので力を入れて頂きたい、それをオンラインで分かりやすく発信してほしいなどとコメントした。谷口尚子は、マスメディアには多元的なチェックがあるはずで信頼性はあると思うなどと話した。

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”SNS時代”の民主主義は

SNS時代の民主主義について、京都大学教授の待鳥さんは、選挙だけで民主主義が終わるわけではない。選挙と選挙は連続した作用がある。選挙を他の政策過程と連続してとらえていくべきだ。法規制、報道規制もそのように捉え、民主主義を安定させなければいけない。マスメディアとインターネットも断絶しないで連続的にとらえることがこれからの民主主義に必要」、慶應義塾大学教授・谷口尚子は「一部の人がやっていることへの逆襲も民主主義の側面。政治に関心を持つことはいいこと。有権者はどんどん飛び込んでいく、乗り越えていくことが強い民主主義になっていくだろう」という。NPO法人Mielka代表理事・池邊亮輔は「個人が判断することが難しい。NPOが有権者の思考をサポートする仕組みが必要」だという。AIエンジニア/起業家・安野貴博は「SNS上で意見が紛糾するのは民主主義の非常に重要なプロセス。ブロードキャストするだけの政治ではなくブロードリスニングの政治ができるし仕組を作るきっかけになる」という。国際大学准教授・山口真一は「選挙と選挙の間は連続している選挙と選挙以外のところは断絶しているんだこういう発想というのを転換する。現行法で対処できることを迅速にすることが重要だ」とのこと。SNSを活用する発信者側の課題について慶應義塾大学教授・谷口尚子は「検閲みたいな規制を招かないためにも発信者側も責任を持つべき」と述べた。

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(エンディング)
エンディングトーク

選挙とSNSについて専門家たちが議論してきた。NHK+でも観られる。出演者たちが挨拶をした。

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